「私は○○です」？！

帰郷へ

迷い2

「ナイル様、あの、婚約の話のことについて、ありがとうございます。」

「気にしなくても、いいよ。僕は、アン王女を妃に迎えたい、とずっとおもってたしね？」

（おお！　ナイル王子、かっこいい！）

「そ、そうなのですね。よかった、です。あの、もしよろしければ、ばら園に行きませんか？」

「そうだね、どうやら、人が来そうだからふたりきりになりたいし。」

そう言って、ナイル王子様はこちらを一瞬ちらりと見た。

…も、もしかしてばれてる？

けれど、そのままナイル王子様はアン王女様をエスコートして去って行った。

ほぉ…、助かった。

それから私は、周りに人がいないのを確認してから隠匿の魔法を解いて、自室へと向かった。