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天羽尤

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ーーはぁ

ーーはぁ

ーーはぁ

息を切らして

決して飛ばしなどせず

着実に

着実に

小刻みに歩を進めて階段を駆け上がる

一段上がって、地を蹴り上げた左足が悲鳴を上げる

一段上がって、振り抜いた腕が悲鳴を上げる

一段上がって、地を蹴り上げた右足が悲鳴を上げる

一段上がって、額からポタリと滴が地に落ちて、染みとなる

全身のあらゆるところが悲鳴を上げる

痛い

苦しい

気が遠くなる。

「ーーーー！！」

今にも堕ちていきそうな意識を握り締め、自分を現実に貼り付けるために、大声を上げる。

そうすれば、最後の一段となる

すぐ俺は一人地に倒れ込む

未だ悲鳴を上げ続ける身体から力が抜けて、目の前にはソレを見届けた青空が広がっている

嗚呼、綺麗だ。

無意識に手を伸ばして、空を掴もうとーーー

「行くぞ」

そして、現実に戻されて、また、階段ダッシュコレを繰り返すのだ

-fin-

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