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3 ヒミツの指きり
しおりを挟む「恵梨ちゃん、話したいことがあるんだ」
まじめな顔で、イケメン転校生が私を見つめる。
「おい、恵梨。二度とオレのことハチなんて言うなよ? オレはブルーベルって名前」
ハチドリとかいう鳥が、私の目の前で浮かんだまま、羽をばたつかせている。たしか、こういう飛び方、ホバリングっていうんだっけ。って、そんなことよりも!
「えーっと……なんなのこれ。咲也くん、このブルーベルって、あなたのおもちゃ?」
「はっ? オレがおもちゃ? オレはな、咲也のお目つけ役なんだ。これからは、恵梨のお目つけ役になるけどな」
「ちょっと、どういうこと!?」
「ね、恵梨ちゃん、公園の中で話そう」
そうして咲也くんと私と、ヘンな小さすぎる鳥は、公園に入った。
桜舞い散るベンチにすわる。
「あの……咲也くん? もしもし? 話って、なんなの?」
きいてみると、咲也くんは大きなため息をついた。
その肩には、コバルトブルーのブルーベルがとまっている。
「僕はね……魔法界からきたんだよ」
「はっ? 魔法界っ!?」
なにそれ今なんて言ったの!?
またしても突風が吹いて、私と咲也くんの髪を乱していく。桜吹雪の中、私は必死にスカートをおさえる。
やがてすぐ、風は止まった。
「あ、今の。風が強く吹いたでしょ?」
「え? うん……」
「恵梨ちゃんが吹かせたんだよ。びっくりしたり、すごくうれしかったりで、心が大きく動くと、風を吹かせられる。それ、僕の力のひとつだったんだ。今朝ぶつかったときに、僕の力は恵梨ちゃんに、ぜんぶ吸い取られちゃったけど……」
「えっ、力っ? 風を吹かせられるのが、咲也くんの魔法の力?」
「うん、力のひとつ。ほかには魔法のペンダントを操れる力、ブルーベルの声が頭の中に聞こえる力……」
「なにそれっ!?」
「あのね、魔法界の住人は、人間と思いきりぶつかると、力をその人に吸い取られてしまうんだ。今朝は必死で、そのことを忘れちゃってたんだけど」
魔法界……人間と思いきりぶつかると、って……。
「えーっと、えーっと……そっか。朝、咲也くんは私のことを助けてくれたよね」
子猫を助けようとして、私が助けられちゃったんだ。
「あのとき私たち、思いきりぶつかったよね」
「そう。だからあのときから……」
「うんうん。私に咲也くんの力が移っちゃったんだねえ……って、信じられるかいっ!」
私はベンチから立ち上がった。
それまで咲也くんの肩にちょこんと止まっていたハチドリのブルーベルが、パタパタとホバリングをはじめる。
「おい、恵梨! 信じろ! 自分の運命を受け入れろ!」
「なによハチ! 咲也くんの言ってること、信じられるわけないでしょ? だいたいあんた、おもちゃでしょ? AI搭載のロボットかなんかでしょ? もうっ! 咲也くん、私帰るからっ!」
あったまくる、あったまくる!
ちょっとカッコいいからって、なんなの、からかって!
んも~っ! 咲也くんのバカ~っ!
そのとき。
ゴオオ~って、大きな風が吹いて、私のスカートがひるがえった。
あわてておさえる。
もう、なんなの、また!
「ほら、今すごく怒ってるでしょ? だから風が吹いたんだよ」
「え? そんなこと信じられない! ただの偶然だよ」
「じゃあ、これでも信じられないってか? オレがおもちゃだと思うってか?」
目の前でホバリングしていたブルーベルは、そう言うと、とつぜん消えた。
「あれ? どこにいったの?」
「頭、さわってみて」
咲也くんに言われて、頭をさわる。
……んん? なにこれ、ヘアピン? いつのまに?
私のショートヘアの、おでこのななめ上に、なにかある。
おっかなびっくり、そっと取ってみる。
それはブルーベルそっくりの、プラ板みたいなものでできた、ヘアピンだった。
「彼、変身したんだよ、それに」
「うそだあ……」
『うそじゃない!』
「わっ!」
てのひらのプラ板ヘアピンから、声がした。というか、頭の中に声が聞こえる!
『オレはヘアピンになっても、恵梨とだけはこうして話せる。わかったか? 魔法界からやってきた咲也の力が、おまえに乗り移ったから、オレのテレパシーが聞こえるんだ』
「うそ!」
『うそじゃないっての!』
手の中のブルーベルの声が、またしても頭の中に聞こえた。びっくりしていると、ヘアピンはいきなり本当のハチドリの姿にもどった。あたりをパタパタ飛んでいる。
「えっと……」
信じられない。
だけど、このヘンな鳥はヘアピンになったり、本物になったりするし。
私の頭の中に、声が聞こえたりするし。
ってことは、やっぱりふつうじゃないことが起きているんだよね?
私が、ふつうじゃなくなってるってことだよね?
それはいやです~っ、ふつうの女の子に戻らせてくださーい!
この不思議な力、なんとかしたーい!
「ねえ、どうしたらこの力、咲也くんに返せるの?」
「わからないんだ。今までそんなミスをおかした者なんて、ひとりもいなかったから」
「そんな! ……ってか、魔法界って、なんなの? 咲也くんて、何者?」
「魔法界は、この世界のどこかにある場所。妖精に小人なんかも、僕らの世界につながってるんだ。僕はそこの住人。人間じゃない」
咲也くんは人間じゃなくて、どこかにそんな世界が……?
「そもそも魔法界の咲也くんが、どうしてこっちの世界に? 東京から越してきたんじゃなかったの?」
「東京ってのは、うそだよ。魔法界からやってきた、とある一家と住んでる。人々が魔法界と離れて暮らすようになったのは、ずうっと昔なんだけど」
「それって、魔法界と人の世界が、一緒だったってこと?」
「そうだよ。人間界のどこの国にも、人魚や妖精、妖怪や鬼なんかの不思議な生き物の伝説があるでしょ? それはつまり僕たちの魔法界に、人間界がつながっていた証拠だよ」
たしかに物語には、不思議な生き物がでてくる。
だけど私、信じているようで、心のどこかではやっぱり、つくり話だって思っていた。
「人間界と魔法界は、今でもほんのちょっぴりつながっているんだ。人間の心に花があれば、魔法界にも花が咲くっていうのが、その証拠」
「人間の心に、花?」
「そう。だれでも、ひとりひとつずつ、心に花を持っているんだ。その花が魔法界に咲くから、僕のふるさとは、昔は花でいっぱいだった」
「昔は?」
「うん……魔法界にはね、もう花が咲かなくなってしまったんだ。悪しき妖魔がやってきて暴れて。〝善〟の象徴である花は、そいつに食い荒らされた。魔法界の王たちが、悪しき妖魔を倒したけれど、すでに大地は荒れ地となっていて、魔法界の花は絶滅」
絶滅って……もう咲かないってことだ。
うちは、おばあちゃんがフラワーアレンジメントの先生をしているから、いつだって花に囲まれている。
花は、心を元気にしてくれたり、やわらかくしてくれたりするって、おばあちゃんがよく言っているし、私もそう思う。
花がなくなった世界……想像できないよ。
「恵梨ちゃん。花っていうのは、希望で、光で、夢。僕は人間の心の花を集めて、魔法界に咲かせる、フラワーキャッチャーなんだ」
「フラワーキャッチャー?」
「そうだよ。その仕事で、人間界にやってきた。だけど、僕の力は恵梨ちゃんに移ってしまった。僕には今、なんの力もない。だから僕のかわりに、花集めを恵梨ちゃんにやってほしんだ」
「私がっ!?」
「そう。恵梨ちゃん、手伝ってくれないかな? 心の花を集めないと僕、魔法界へ帰れないんだ。ね、お願い!」
顔の前で、咲也くんが両手をあわせる。
必死にお願いされちゃうと、イヤって言えな……ん?
いやいやいや、流されてはいられない! これは一大事っ!
「ムリだよ! 花は好きだけど、ぜんっぜんくわしくないし。ほら、あれだよ、ホームセンターで種を買って、魔法界で育てたらいいじゃない? そうだよ、そうしなよ!」
「なーに言ってんだか。ダメなんだよ、それじゃ。人の心がこもってないと、魔法界で花は咲かない」
それまで咲也くんの肩でだまっていたブルーベルが、あきれたように言った。
「どうして?」
私の問いかけに、咲也くんがやんわりとした笑みをみせる。
「花は人の心にこそ、咲くものだから。僕がほしいのは、人の心の花なんだ」
「そんなむずかしいこと、私なんかにできないよ……」
「だいじょうぶ。これがあるから」
咲也くんがシャツのボタンを開けて、なにかを見せてくれた。
それは首からさげた、ペンダントだった。
すきとおった石は、ころんとした、しずくの形。ちょっと大きめの、いちごみたいな大きさ。
そのしずくには、上に穴があいていて、茶色い革ひもが通っている。
「水晶だよ。で、この水晶の上に、革ひもをとめるようにある石が、翡翠」
「透明な水晶に、青緑色の小さな翡翠……キレイ!」
「これは魔法のペンダント。魔法界にゆいいつ残った花、月光(げっこう)草(そう)の花のしずくを浴びた、聖なる石なんだ。首にかけてみて」
咲也くんからペンダントを受け取って、首にぶらさげてみる。
「ひゃっ!」
水晶がとつぜん、私の胸で熱くなった。びっくりしているうちに、ひかえめに虹色に輝きだす。
「ちょっとこれ、どうなってるの!?」
「自分の主はどんな人か、この水晶がさぐっているところ。僕の力が、そのまま恵梨ちゃんに入りこんだから、ペンダントも恵梨ちゃんのものになったんだ」
やがて光は消えた。水晶を見ていると、その透明な中に、ヒマワリの花が浮かんできた。
「現れたのが、恵梨ちゃんの心の花。これでひとつ、心の花をゲットできたってこと」
「へえ、恵梨はヒマワリに守られてるんだな」
ブルーベルがペンダントの石をのぞきこんで言った。
「私、ヒマワリの花に守られてるの?」
「そういうこと。夏に生まれたんだね? えっと……七月二十五日?」
「当たり。どうしてわかっちゃうの?」
「ヒマワリは僕たちの世界では、七月二十五日の誕生日の花ってされてるから」
ふうん……なんだかちょっと、おもしろいかも!
「花集めはね、だれにだってできるものじゃない。力を持った者でないと」
「それが、咲也くんの力が入りこんだ、この私?」
「そうだよ。恵梨ちゃんにしかできないんだ。恵梨ちゃんが心の通じあった相手にふれると、今みたいに水晶が熱くなって、ちょっと輝いて、相手の心の花が現れる。それが、フラワーキャッチャーとしての、花集め」
フラワーキャッチャー、その響きに、なぜだか心がくすぐられる。
「いったい、どれくらい花を集めたらいいの?」
「数はわからないけど、多ければ多いほどいい。集めたものは魔法界へ送信されるんだ。このペンダントが、自動的に送ってくれる」
私は首にかけたペンダントを見た。ヒマワリの花は、すでに消えている。
「フラワーキャッチャーのボスが、もういいって言うまで、集めないとならないんだよ」
「もし、集められなかったら?」
「いつまでたっても、僕は魔法界に帰れない。お互いに心が通じあった相手の、心の花を集めることが、人間界にやってきた僕の使命だから」
暗い顔で、咲也くんがため息をついた。
魔法界に帰れなかったら、咲也くん、かわいそう!
なんだか使命感みたいなものが、めらめらとわき起こってくる。
やるしかない。やってやろうじゃない! だけど……。
「私……やっぱり自信ないよ。魔法のペンダントがあったって、人の心の中まではわからない。わからなくちゃ、心が通じあわないもん」
私は真希を思いだした。あの子の心の中は、さっぱりわからない。どうしたら仲よくできるんだろう。
「恵梨ちゃん。だれかと仲よくなるのに、その人の心の中がわからなくちゃならない?」
「そうだと思うけど」
「僕はちがうと思うよ。その人を知ろうとすれば、たいてい向こうもこっちを気にしてくれる。心が通じあうのって、そこからはじまるんだよ。相手の心がわかる人でなくちゃ、その人と通じあえないとしたら、魔法使いにしかできない。恵梨ちゃんは今まで、そういう魔法を使って、友だちをつくってきたの?」
「ちがう。自然と、友だちになれてた」
「でしょ? だれかを思う気持ちがたいせつなんだ。今までどおりでいいんだよ。友だちとか、関係に名前がなくたって、だれかと思いあう気持ちってあるからね」
にっこり、咲也くんが笑ってみせる。すっごくやさしい、ほほ笑み。
心の中がわからなくても、通じあえるんだ。私が……やらなくちゃいけないんだ!
「咲也くん、私……がんばってみるよ」
「ありがとう! そう言ってもらえると思ってた」
うれしそうな咲也くんを見ていると、私までうれしくなってくるよ。
「じゃあ、ペンダントは恵梨ちゃんにあずける。だいじなものだから、くれぐれもなくしたり、割ったり、だれかにペンダントの役目がバレたりしないようにね」
「だいじょうぶ! 私のモットーは、〝人にやさしく、動物にやさしく〟。あとひとつは〝物にやさしく〟だから」
「だったらオレにもやさしくしろよな?」
「ハチはだまってて!」
「だから虫あつかいするなっての!」
「まあまあ、ふたりとも。恵梨ちゃん、協力ありがとう。それから、とくべつな力があることもヒミツだよ? それが魔法界のことを知った人間と、僕たちとのルールだから」
「まかせといて」
「約束だよ?」
咲也くんが、小指を私に近づける。
「うん!」
私たちは、そっと指きりをした。ヒミツの指きりだ……。
どきん、どきん……胸が高鳴る。
なんだってこんなカッコいい男子と、私はふたりきりで指きりを!
風が吹いた。あたたかい春風。
そして胸ではペンダントが、七色に熱く輝く。
「よく見てて……ほら」
輝きが消えて、そこに映ったものは、見たこともない植物だった。
「僕の心の花。魔法界の、ザリガニ草だよ」
すっとした長い葉のあいまに、ザリガニのはさみのような赤い花がある。
「ほんと、ザリガニだね。キレイっていうより、ちょっと不気味」
「たしかに、不気味かもね。傷の特効薬だったのに、絶滅しちゃったんだ。いつかこいつをよみがえらせるのが、僕の夢」
そう言って咲也くんはほほ笑んだ。絶滅なんて、すごくかなしい。
私は水晶に映る花を見つめた。あれっ? 咲也くんの心の花が映ったってことは……。
「私たち、心が通じてるってこと?」
「そういうことになるね」
咲也くんは、そうしてまた笑った。
私と咲也くんの、心が通じあっている……ぽっ。一気に顔が熱くなっちゃう!
けど、なーんだ。心が通じあうって、かんたんかも!
「恵梨ちゃんが心の花を集めてくれるあいだに、僕は力を取りもどせる方法を見つけるよ」
「お願いします! 私、がんばる!」
「ありがとう。ほんとうに助かるよ。じゃ、僕はいくね。またあした」
「うん、また学校でね」
そうして咲也くんはいってしまった。キラキラな王子さまみたいな、笑みを残して。
「ほら。恵梨も帰るぞ」
「えっ? なにあんた、まだいたの?」
目の前をブルーベルが飛んでいる。
「だから! 今日からオレは、恵梨のお目つけ役になったって言ってんだろ?」
「なにそれ! 下品なあんたなんかが一緒だと、キレイな花も集められないよ」
「オレのありがたさ、そのうちわかるぞ。さ、家に案内しろ」
「えらそうに! もうっ、ちゃんとヘアピンに変身しててよね」
「リョーカイ!」
すぐさま私の頭に、ブルーベルはヘアピンとなってとまった。
やっかいなことを、しょいこんでしまった感じがする。
だけど、ちょっぴり、おもしろいかも!
これは……部活どころじゃないかも!
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