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2 そうだ、王都に行こう

21.5

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 「魔道具の整頓に手間が掛かって処分したいのですよ。」

 「・・・それらを出されると大変困った事になる・・・こっちの資金が足りん・・・。」

 「市場に出せばいいじゃないですか。そのままじゃではなく加工して。」

 「にしても資金が枯渇する!」

 「自重はしますよ。ある程度そっちでもアドバイスしてください。」

 「・・・わかった・・・。では、こういった物は資金がきちんとできるまで一日一個にしてくれ・・・。」

 「希少価値が付いてくるのですか?いっぱいあるのに・・・。」

 「此処では手に入らない物だ、その分上乗せされる。出来ればこれ以下の素材にしてくれるともっと良いのだが・・・。」

 「じゃこれはどうです?」

 違う素材を出したのだが・・・。

 「どっこいどっこいだな、やれやれ・・・。」

 と言う事で、一つだけ売れることが出来て後は後日になった。

 「ではいつもの通りに解体して売りますので。」

 「毎日毎日、狩りに行かずに大量素材を持ってくるけど、本当にどうなっているの!?」

 と頭を抱えた所員が言って来たが、

 「すまんが、それは聞いたらいかんことに成っている・・・。」

 ハッとしたように所員がマスターを見る。

 「まさか、例の受付の対応のせいですか!?」

 と言ってきていたのでマスターは渋々頷いていた。

 良薬を呑んだような顔になった所員は表の受付の方を見た。

 「くっ・・・要らんへまをしてくれたものだ・・・。」

 なんて話をしているが、俺が解体はじめると専門の解体業者や冒険者が集まり、一種の解体ショーになる。

 黙って、見るのであれば気にしないのだが・・・。

 「其処の餓鬼!その短剣何処で手に入れた!?」

 っと言う様に困った御仁が時たまいる。

 初めうち、こう言う奴が居たため解体は中断され、殴り合いになったもんだ・・・。

 無論一方的であるに殴りました、その後大人しくなったので放置です。

 さて、今はと言うと俺が手を出さなくても周りが処理しますので放置です。

 この頃ギルドから出てくる素材は質が上がっているので、利益が上がってウハウハで状態。

 その一役に成っている俺の解体ショーの妨害はギルドとしても死活問題となっているので、対処は早いのだ。

 「時たま、本来の仕事は何だのか解らなくなる時が有ります。」

 「言うな、これを辞められたら給料が落ちるぞ。」

 「誠心誠意、頑張らさせてもらいます。」

 所員とマスターの夫婦漫才が即行で行っていた。

 日に日に増える観客にギルドが対応に追われていた。

 「一部ではあの短剣が呼び水に成っています。」

 ロッスド山地で鍛えられた短剣は見る人が見たら異常な短剣だと解るのだ。

 そんな短剣を解体で使うとは異常過ぎる行動・・・他の短剣使えよ!!戦闘用だろそれ!!

 心の声でツッコミを入れる冒険者などが居ますが、これ以上短剣の所有は勘弁してほしいです。

 現に、売ってほしいと言う人も居ましたが、笑顔で御断りを入れた。

 なぜがドン引きされたが、それ以降言ってくる人は居ません。

 「はぁ・・・この解体ショーだけでも価値があるかなら・・・。」

 「実際に素材の金額に解体ショー用に上乗せして払っていますから・・・。」

 え?そうだったの?

 てっきり素材だけの金額だけかと思っていたよ!

 見物料でも取ろうかと思っていたのに・・・。

 まぁそんなにお金に困っているわけでもないし、このままで良いか!

 *

 解体も終わり素材を現金に換えたとっころで宿に向かうと飯屋が再び混沌としていた。

 裏に回り、厨房で軽く食事をさせてもらって、ホールで注文を聞きに行った。

 夜中に成り、酒飲みだけになった頃に解放され、撒かない料理と言う試作料理を頂き、味の評価してから飯屋の手伝いをした。

 翌朝、朝食が終わった時に店主から一枚の紙を渡された。

 「ネイトちゃん?」

 「男なので君かそのままで呼んでください。」

 「では、ネイト君は冒険者だろ?」

 「はいそうです。」

 「じゃぁその紙を受付に渡しておくれ、ホールと食材調達の依頼を受けて貰っているようにしているから。」

 「え?」

 「安心しろ、報酬は宿代と食事代に成っている。それを渡すとギルドの方での評価対象となってランクが上がる様に成る。」

 「なるほど・・・。」

 「お金はいらないが、身元を保証するものが居るのだろ?」

 どうやら、気付かれていたようだ。

 「助かります。」

 笑顔で頭を撫でられ、店主は厨房へと消えた。

 渡された紙を持ってギルドに向かい、評価されランキングが上がった。

 それから、飯屋での仕事と食材の提供で解体ショーの仕事で数週間過ごす事になる。

 俺の周りで再び慌ただしくなるのは、今まで王都に居た領主:ハルハートン辺境伯が帰ってくる、その日であった。
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