一族に捨てられたので、何とか頑張ってみる。

ユニー

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2 そうだ、王都に行こう

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 王都からハルハートン辺境伯領まで陸路で一ヵ月以上掛かり、前回の飛行艇では十日で走破したそうだ。

 これは画期的であったが、実は魔境を避けて飛んできたため、大回りにして飛んできている。

 因みに陸路もそうで魔境を直線的に突破することは無い。

 まぁ、俺は違うけどな!・・・それは置いといて・・・。

 まぁつまり、危険な処を回避して飛んできたと言う事だ。

 で、今回の俺の航空機のフライト計画では、魔境?何それ?関係ないじゃんルートを取る事にしました。

 王都まで、真っ直ぐ一直線です!

 これで、わずか三日で王都に到着できます!

 そこで色々とツッコミを入れている君!

 なにそれおいしいの?

 俺の航空機の素材は硬い魔物が多いと評価されているロッスド山地から全部調達している。

 並の魔境魔物では傷一つ付ける事も出来んよ!!

 無論、その時はそれなりに回避運動はしますけどね。

 さて、俺の航空機にも人を乗せれるようになっている。

 最大人数は30名としている。

 これは魔力が無くなっても安全に着陸が出来るギリギリの重量から割り出した。

 よって、乗り込む人は、辺境伯(着陸場を使い・さまざま所で交渉させるため)飛行石を持ってきた人(辺境伯のサポートをさせる為)ユタナヴドスさん(実力を見たいらしい)

 そして、辺境伯領のギルドを総括しているいつものマスターだ。

 後、その他もろもろ、三日のフライトだから、辺境伯のお抱え魔導士も乗って貰っている。

 俺が休憩している時に魔力を供給させる為だ。

 *

 「今回のフライトでの教訓は何らかの攻撃方法を備え付けるっと言う事か・・・。」

 真っ青な顔をしたマスターが、

 「断じて・・・それは違う・・・もっと安全なルートで・・・操縦すれば問題はない・・・。」

 「な!見て見ろ!僅か一日と半日で王都に着いたんだぞ!」

 「俺が言いたいのは!魔物がいる魔境に直進で突っ切っる事だ!見て見ろ!お前以外全員!空酔いしているぞ!!」

 マスターが上手い事言いました!

 「空酔い・・・なかなかいいネーミングですね!」

 「だぁから!魔境に入らなかったら曲芸飛行なんぞしなくても、安全安心に飛べたろうが!!」

 「僕は冒険者ですよ。スリリングを求めて何がいけないのですか?」

 「お前みたいな冒険者はいねぇよ!!ってか、お前基準で物事を計るんじゃない!!」

 「はいはい、解りました。そろそろ着陸できる知りたいので辺境伯を連れてきてくださいよ。」

 「その辺境伯は口からいろいろ出してへばっているぞ・・・。」

 「ったく、きちゃないなー。後で清掃料金請求してやる。」

 「なんか根本的に理不尽なような気がするのは気のせいか?」

 「気のせいです。」

 結局マスターの指示でハルハートン辺境伯王都屋敷の中庭に降りる事になった。

 ゆっくりと静かに着陸した。

 着陸した後、マスターが先に降りて、王都屋敷を管理している人を呼びに行った。

 その後から、管理している人を含むメイドさんたちが航空機に入ってきて、全員外に運び出した。

 *

 「っと言う事で、口から出した物のせいで汚れた物も賠償を払ってください。」

 と辺境伯に言ったら、メイドさんたちが綺麗に清掃してくれた。

 重要部分にはきちんと立ち入り禁止にしておいたから大丈夫だ。

 優秀だな・・・。

 体調が戻った各々大人たちはそれぞれの交渉に向かい、俺は航空機を魔導鞄にしまい、ハルハートン辺境伯王都屋敷でのんびりした。

 完全な居候状態であったが、ハルハートン辺境伯領にある飛行艇の完全な運用が開始されるまで表に出ないようにした。

 それから数日後、飛行石の追加が認められ、再び航空機に乗り込む事になったが・・・。

 「次は安全安心ルートで頼む!!」

 とマスターが言って来た。

 「時間が掛かるよ?」

 「それでも良い!ってかそうじゃないと困る!!」

 「なんでまた・・・。」

 そう言うとマスターが、追加で乗る人が厄介な人でこの人を困らせると困った事になると言う事だ。

 そんなこと知りませんがな!!

 っと言う事で、再びスリリングな飛行となった。

 「てめー!!俺たちに恨みでもあるのかー!!」

 「ははは!そんなことないですよー!ただ、タダの便利屋だと思われるのがムカつきますから~!!」

 「俺たちが悪かったから!悪かったから!後の三つの魔境は避けてくれ!!」

 「却下!!!」

 *

 「ふふふ!丸一日で如何にか到着か!我ながら頑張ったな!!」

 背後にある空酔い一同様のご案内がある。

 「ご登場ありがとうございました。今しがたハルハートン辺境伯領に到着いたしましたので各自当機から降りてください。
 なお当機を汚した人は後で清掃に掛かった料金を請求致しますので、またのご来場を心からお待ちします。」

 「ぜっていに、お前が操縦するこれに乗るかよ!!」

 マスターの見事なるツッコミを合図に航空機から降りていった。

 なお、後から辺境伯のメイドさんが再び清掃してくれた。
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