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1 魔境の森

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 雪が降り終わり暖かい風が吹き始めた。

 春が近づき始めた事を合図していた。

 いつもの通りに雪を下し、一息ついた。

 地面はまだまだ雪が積もっており、まだ、移動できないでいた。

 食糧や薪はまだ余裕が有るので、大丈夫だ。

 騎士団たちが来たせいで、若干道具の整頓が、遅れている。

 道具はまるで意思があるかのごとく、ある方向性を持って変化していっていた。

 剣道防具と皮の鎧系が制服に吸収融合して防具制服に成っている。

 どこのRPGですか!?

 鎧にマントに兜が同化して、防具パーカーコートに成っている。

 このコートは別に毛皮がメインに成っている防寒コートも出来上がっていた。

 革靴も金属ブーツと同化して見た目は普通の革のブーツに見えるが性能は全く違う・・・。

 デザインもかなりどこのRPGの学園デザインか知らないがかなりセンスが良いらいしデザインに成っている。

 かなり癪なのは、全部サイズに合う様に変化しているのだ。

 俺一回も来たことも無い装備品も何でサイズが変わっているんだよ・・・。

 この頃不思議な事が起き過ぎだよ!!

 まぁ嫌いではないデザインだから着るけどさぁ・・・何か釈然としない・・・。

 そう言えばスマホも魔道具化したな・・・。

 耐水に耐火に耐衝撃に耐紛失って何さ・・・。

 等々多くの機能が付いたな・・・。

 オートセキュリティーシステム?

 危機的に成ったら身近な物で助ける機能・・・。

 まさか危機的と言う事は、クマとかあの魔人とかの時に助けたのは、これの御蔭か・・・。

 本当に役に立つスマホだな・・・。

 冒険者の魔人が持っていたが、ギルドカートが有った。

 長い期間放置されたために、項目は残っていたが個人情報は消えていた。

 記載する事で偽装することは出来るのか魔力を流してみたが、何も反応が無かった・・・。

 これは、保留だな・・・。

 *

 次の朝、再び雪掻きをしている時に空に誰かが居る事を感じた。

 ん?どこかで見たようなクトースが見えて来た。

 「お久しぶりです。」

 案の定、ファルバートさんであった。

 「一体、どうしたんですか?」

 「諸々言付けが有ったので参りました。」

 「・・・。」

 「あの!けして何か要求するものではないので!」

 そう言って、大きな手荷物を見せてくる。

 「はぁ・・・なるほど、そういう事ですね・・・解りました。どうぞ。」

 つまり、彼らはあれ以上の恩を感じていて、彼女に押し付けたっと言う事だろうな・・・たぶん。

 そう言って、家の中に促した。

 家に入ると大荷物からいろいろ出してきた。

 「えっとまず、各種香辛料に食糧、主に野菜関係です。あと周辺地図の写しです。」

 周辺地図は大変ありがたい。

 他に料理道具を持ってきてもらった。

 鍋とかフライパンとか・・・。

 「助かります。」

 「はい!」

 何だこの変な感じは・・・。

 *

 その後、近況報告をしてくれた。

 町やメグテール公爵家の話だ。

 不可思かな事に一年前からメグテール公爵家の現当主の姿が視て居なくなった。

 いきなりではなく、段々姿を消していった。

 来年の王都の新年行事に姿を現すか否かで、困惑しているようだ。

 現在、領地を仕切っているのは夫人の方だと言う事だ。

 弟は天才と言われて、やんちゃを繰り返していると言う事だ。

 その弟は王都にある王立クーアド学園幼年部に入学したっと言う事だ。

 王立学園は幼年部、少年部、青年部っと別れており、それぞれ五歳、七歳、十一歳に入学できる。

 で、十四歳で卒業でそれぞれの道に歩むと言う事だ。

 誰でも入学できるようになっている、お金さえあったらね。

 幼年部から入ると言う事はエリートコースか・・・。

 領内の事情は、魔境以外の魔物が活発に行動しはじていると言う事で、どの管理官も頭を痛めていると言う事だ。

 重傷を負った人たちであるが、一部は引退したそうだ。

 話を一先ず終わらせ、料理を作る事にした。

 料理器具を使って様々な料理を作って行った。

 大変喜んでくれた。

 しかも、自分では料理できない残念な騎士だと知った。

 この際、簡単な料理と美味しくなる料理のコツを言った。

 「それは何ですか!?」

 「自分が美味しと思うまで、失敗する事、剣と同じだ。」

 「なるほど!!」

 これで、大丈夫だろう。

 後はこっちに資産が消える訳でもないから大丈夫だ。

 翌朝に成り、料理ベタな彼女は拠点に戻って行った・・・。

 後日聞いたのだが、あまりにも失敗し過ぎて厨房侵入禁止令が発動したらしい・・・。

 誰かきちんと教えてやれよ!!
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