愛脳中毒

じえり

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研究機関√ ルートⅡ

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「署長!捜査打ち切りってどういう事なんですか!」
県警にやってきて2年初めての大事件だ
「身元もわからんし集団自殺って線が濃厚だろう」
「まだ遺体発見から一週間ですよ」
「一週間捜査すれば充分だろう?」
そんなわけあるか!
「この間の轢き逃げ事件の被害者と同じ頭蓋骨の傷があるんですよ 2つの事件は同じ犯人じゃないですか?」
「騒ぎ立てるな」
それきり署長は黙った
隠匿する気だろうか
大事にしない理由はなんだ?
金か?圧力か?

「村田さん」
俺よりも階級が上の後輩が俺を呼び止める
「例の遺体 脳みそが丸々ないらしいですよ」
体が震える
これはきっと俺の手に負える事件じゃない
一瞬で高ぶった正義感が萎んでいく

「マイロくん申し訳ない」
「仕方ないですよ」
本当は暴れまくって機材をなぎ倒し大声で叫び出したい
「秘密って針の穴ぐらいの隙間から漏れ出る事ってあるんですよ」
研究所を一旦閉鎖すると決めてからまだ2時間しか経っていないがこうなる事が起こるかもしれないというシュミレーションは万全だ
マイロは慌てる事なく全てのデータをパソコンから抜き出しパソコンのハードディスクを破壊
スタッフ達はテキパキと指示された事をこなしている
しかし電極に繋がれた脳みそをどうするか
脳が死んでいなければ人は死んでいない
4番8番10番13番はまだ生きている
「廃棄するしかありませんよ」
小中がマイロの背中を押す
この場所が世間に知られる事はないと思う
遺体は身元不明だし元々捜索願いが出ないような人間を選抜している
万が一身元が知れてもこの場所に辿り着けるほど勘のいい人間がいるのか疑問だ
研究機関√の表向きは新薬の開発
裏の仕事を知っているのはここのスタッフと医師10人と金持ち連中10人ぐらい
それでも一旦閉鎖を決めたのは万が一にも世間に知られない為
カナヤは脳みそから伸びる電極の線を1つ1つを丁寧に取り除き始めた





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