愛脳中毒

じえり

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花水木Ⅱ

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「今日も8番の部屋でよろしく頼むよ小中」
中林様がワタクシにチップを握らせて微笑む
「かしこまりました」
ワタクシは深々と頭を下げて中林様を奥の部屋に通す
そんなに気に入ったのか?
自分がはめた紀田聖の人生が面白くてたまらないらしい
ほとんど毎日通い詰めて8番の人生を堪能している

花水木は秘密クラブ
オーナーはワタクシにもわからない
ワタクシは雇われの主人
しかし全ての事を取り仕切れて好きに運営はできる
「小中さん鳳仙花の田村さんからお電話です」
細中が小さな声でワタクシに耳打ちする
「中林様が8番の部屋に入られたから軽い食事と飲み物を用意して下さい 4番の部屋の五条様は9時に迎えの車を用意するように」
そう言い残して事務室に戻ると田村の電話に出る
「すいません小中さん 2番と15番廃棄になったので一名だけでも回して貰えませんか?」
そんな事だろうと思った
鳳仙花の被験者はどうもうまくいかない
笠松様や村尾様には人を見る目がないのか
巨額の投資をしているのに楽しめないとなると困る
「わかった 10番を回すよ」
「ありがとうございます」
吉葉様がたまに鑑賞する程度だから鳳仙花に移しても大丈夫だろう
10番はめくるめくBLの世界を展開していて濃度が濃いストーリーを組み立てている
「次の仕込みは始まっているのか?」
「それが中々」
「こっちばかりに負担を持ってこられるとしんどいのはわかっていますよね?」
知らず語気が荒くなった
人生に疲れた若者はどこにでも転がっているわけじゃない
年齢をもう少し上げてもらえればいいがマイロさんが25が限界だと言い張るので仕方ない

RRRRRRR RRRRRRR
ワタクシ直通の携帯電話がなった
「はい小中です」
「ちょっとテレビいやニュース見れる?」
吉葉様が珍しく慌てた様子
「史草川で全裸の遺体ってまさかとは思うけど?大丈夫なんでしょうね」
まさか?
「確認してみます」
4番と8番の遺体は自殺として処理
10番と13番はひき逃げとして処理
15番は行方不明として処理
2番と18番は焼却処理
すぐに森元署長に確認
「どうなってますか?史草で全裸遺体が出たそうですね」
「そうなんですよ 回頭手術の後があったので多分√から」
なんたる失態!
「どう処理されるおつもりですか?」
「どうもこうも自殺やひき逃げで4人も不審死が続いたので色々いう熱血漢がおるんですわ それで今回の遺体でしょう しかも一様に同じような手術痕」
「うまく処理してくださると信じています」電話を切って√に電話
「焼却処分を頼んだの誰だ?」
「あっ小中さんお疲れ様です」
呑気な挨拶にイラついて声を荒げる
「焼却処分だよ!」
「ちょっと待ってくださいね 今回初めての業者みたいですね」
「誰繋がりだ」
「笠松さんの知り合いの組ですかね?」
やられた
とことん脇が甘い 
乱暴に電話を切ると笠松様に電話をかける
「ニュース見ましたか?」
「何が?」
「史草で遺体が見つかったんですよ」
「なに?」
「焼却処分頼んだ業者はどこですか?」
「何?わしが下手打ったって言ってるのか?」
そうだよ!
「連絡して貰えませんか?」
「うるさい」
電話が切れた
この人は都合が悪くなると逆ギレする
対策を講じなければ全て終わりだ
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