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三章
3-4
しおりを挟む身を守る、という言葉から戦車が出てくるマルトの感覚を少し追求したくもあるが、まぁ子供だからなのだろう。
「ナイフ........それなら、私の叔父さんのお店がいいよ!」
「叔父さんのお店?」
「うん!武器屋さんではないんだけど、ナイフとか包丁とかを作って売ってるの」
「ふーん。それじゃ、そこに案内してほしいな」
赤毛を揺らし、マルトは楽しそうにニッコリ笑った。
1度、宿屋に荷物を置きに戻ってから、マルトの叔父の家に向かった。クロスは相変わらず寝ていたが、寝ながらも手を伸ばしてベッド脇のクッキーを一つ掴んでいた。
その手からクッキーを奪って口に放り込んで、皿を窓際のローテーブルの上に移動させた。もしかすると寝ながら起き上がって歩くかもしれない。実験してみよう。
ウキウキと歩き出すマルトの案内で、私達は町の外れの方まで来た。町に入るために上ってきた階段のある場所から、一番離れた場所だ。崖側には岩がゴロゴロとしていたが、奥の方には森があった。
「随分と離れた場所にあるのね」
「叔父さんは一人が好きなんだってさ。それに、“神様”を守ってるんだって」
「神様?」大きく頷き、マルトはある方向を指さした。森のある方向、生えている木々の中で一際大きい樹木があった。そして何故か、その樹木の幹には大きな岩が乗っているように見えた。遠目からなので、見間違えかもしれない。
「あれがこの町の“神様”だよ!ナイフ買ったあと、見せてあげるね!ーーあ、先がいい?」
「んー、先にナイフ見に行きたいかな」
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