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序章
序章2
しおりを挟む人の人生はピンキリだ。とてつもなく恵まれた人もいれば、そうではない人もいる。
私はそのどちらだろうか?親は金持ちで、住んでいるのは駅の近くのタワーマンションの高層階。着ている服も使っている物も、高いものばかりだ。通っている高校は県内でも高いランクに位置する学校だし、将来も親を継いで医者になる、という道が用意されている。
たしかに、私はその点は恵まれているのだろう。しかしこれは、どうなんだ。
「養われてる身分なんだから、ここでちゃんと奉仕しないと追い出すよ」
父は言う。彼は私とは血が繋がった親子のはずなのに、どうしてか私に対して「女」を求める。いわゆる性欲というものを、実の娘である私にぶつけるのだ。
当然最初は抵抗した。しかしコレが始まった当初、12歳で小柄だった私が抵抗したところで、焼け石に水だった。逃げようとする私を父は難なく捕え、うつ伏せにベッドに寝かせた全裸の私の尻をベルトで5回、打ち据えた。想像を絶する痛みに私は声も出せず、体も上手く動かせないほどに取り乱した。彼はその隙に私を犯した。
それ以来、4年もの間父は私を犯し続けた。幸いなことに毎日ではなかったが、決して少なくはないほどに、父に蹂躙されてきた。私の体を、私の心を、私の青春を。
彼はきっと、自分の娘は無条件で自分の思い通りに出来ると思っているのだ。悲しいことに、それはあながち間違ってない。力さえあれば、そして弱みさえあれば、恐怖さえ与えれば、思い通りになるのだ。私はその通りになってしまった。抵抗する気力も、すでに失せた。
私もいつかはと夢を見ていた。男女の目交いというものは、心から愛した相手とするもので、幸せなものに違いないと。きっと、普通はそうなのだろう。幸せなものなのだろう。しかし、必ずしも全ての人間がそうなるとは限らないのだ。
言葉にするのも忌まわしい、汚らしい行為を強いられながら、私は思った。死にたいと。毎度毎度、そう思った。
きっと、これは素敵なことなのだと自分に言い聞かせて、不条理を全て受け入れて順応してしまえば楽なのかもしれない。「私は父に愛されてる。大事にされている」と、勘違いでも思い込んでしまえば、少なくとも私の心はその時だけは楽になるのに。
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