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2章
2-3
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体の力がどんどん抜けていく。後ろから首根っこを捕まれて引っ張られているような感覚で、私の体は倒れていく。床に背中がついたはずなのに、体はまだ沈んでいく。
………………………
………………
………
真っ暗な闇の中を落ちていく。
瞼は開いている。何も見えない。感じるのは重力だけだ。
纏わりつくようなけだるい空気を必死に搔き分けようともがきながら、意識だけは手を伸ばして何かを探した。
苦しい、誰か助けて!
「…………っぅぁああああ!!!」
気が付けば、私は気でも触れたかのように叫んでいた。
もう嫌だ。もうこんなに苦しいのは嫌だ。
気が済むまで叫び、すべてが終わるのを待った。
息が苦しいし、体中を蛇が這っているような、気持ちの悪い感触がある。生暖かいそれは、首や、手や、足や、胸、下半身、妙に艶めかしく動いた。快感を引き出そうとするような動きをしているのに、気持ちの悪さは一向に消えなかった。
それはしばらく続いたが、やがて体の一部を無理やり押し開いて異物が入り込んできた。これが本当に不快で、しばらく動いた後に異物が出ていくまで、強い吐き気を堪えるために唇を噛んでいた。
そしてすべてが終わった。
だが、このままだと本当の終わりではないのだ。
そのために、私はこう言わなくてはならない。
「もう、勘弁してください」
暗闇の中で両手を腰の位置で組み、足をそろえて立って、絞り出すように言った。
いつの間にか、視界は開けていた。目の前に誰かが立っている。黒い靴下と黒いジーンズ。下ろした手に、金属製のよくわからないデザインのストラップを下げたスマートフォンが握られている。
「二度とこういう事はしないでください。これ以上こんな関係を続けるつもりなら、私はすべてをあの人に話します」
「何言ってんの」
その人は手にあるスマートフォンを何やら操作し、画面をこちらに見せた。
あられもない自分の姿が、そこに表示されている。何枚も、何枚も、恥が記録されている。
「これ、ばらまかれたいの?
それに、君は自分の弱みを忘れたのかな?」
さっきよりもさらに強く、唇を噛んだ。
悔しい。腹が立つ。
こいつのせいで、すべてがめちゃめちゃだ。私のすべてがめちゃめちゃだ。もうどうしようもない。こいつはこれからも私を支配しようとする。もう嫌なのだ、逃げたい。
・
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真っ暗な闇の中を落ちていく。
瞼は開いている。何も見えない。感じるのは重力だけだ。
纏わりつくようなけだるい空気を必死に搔き分けようともがきながら、意識だけは手を伸ばして何かを探した。
苦しい、誰か助けて!
「…………っぅぁああああ!!!」
気が付けば、私は気でも触れたかのように叫んでいた。
もう嫌だ。もうこんなに苦しいのは嫌だ。
気が済むまで叫び、すべてが終わるのを待った。
息が苦しいし、体中を蛇が這っているような、気持ちの悪い感触がある。生暖かいそれは、首や、手や、足や、胸、下半身、妙に艶めかしく動いた。快感を引き出そうとするような動きをしているのに、気持ちの悪さは一向に消えなかった。
それはしばらく続いたが、やがて体の一部を無理やり押し開いて異物が入り込んできた。これが本当に不快で、しばらく動いた後に異物が出ていくまで、強い吐き気を堪えるために唇を噛んでいた。
そしてすべてが終わった。
だが、このままだと本当の終わりではないのだ。
そのために、私はこう言わなくてはならない。
「もう、勘弁してください」
暗闇の中で両手を腰の位置で組み、足をそろえて立って、絞り出すように言った。
いつの間にか、視界は開けていた。目の前に誰かが立っている。黒い靴下と黒いジーンズ。下ろした手に、金属製のよくわからないデザインのストラップを下げたスマートフォンが握られている。
「二度とこういう事はしないでください。これ以上こんな関係を続けるつもりなら、私はすべてをあの人に話します」
「何言ってんの」
その人は手にあるスマートフォンを何やら操作し、画面をこちらに見せた。
あられもない自分の姿が、そこに表示されている。何枚も、何枚も、恥が記録されている。
「これ、ばらまかれたいの?
それに、君は自分の弱みを忘れたのかな?」
さっきよりもさらに強く、唇を噛んだ。
悔しい。腹が立つ。
こいつのせいで、すべてがめちゃめちゃだ。私のすべてがめちゃめちゃだ。もうどうしようもない。こいつはこれからも私を支配しようとする。もう嫌なのだ、逃げたい。
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