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1章
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訳あって血の繋がらない大人の家に居る。両親は死んだ。つまるところ私は養子である。
私がここで便宜上「母」と呼ぶ女性は、私を産んだ母の知り合いの知り合い。この人が「母」になる日まで、会ったことすらなかった。
私が「父」と呼ぶ男性は子種を持てない身体で、この夫婦は長いこと子供を持てなかったという。「父」には、あまり私は好かれていないようだ。口は利いてくれるし、酷い扱いもされてないが、目を合わせてくれたことがほとんどない。
どこに居ても、私は1人だった。
嘗て住んでいた土地は飛行機で一時間の距離である。移り住んだとき、知り合いなど居なかった。そして私の人見知りする性分の為に、友達と呼べる存在もなかなか作れなかった。
こちらに移り住んでからおよそ五年間、私は友も理解者も居ない状態で過ごしてきたが、苦ではなかった。
だが高校に進学してから、やっと孤独を噛み締められるようになった。それまでの私は、感情が麻痺していたのかも知れない。
私も友達がほしい、誰かと遊んだり、笑ったり、色々なことを話したい。
皆のことがとても羨ましかった。
遊んだり、恋をしたりと、とても生き生きとしている。
そんな私を、救ってくれたのが、さなえ先生だった。
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