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第一章

盗賊ドナドナ♪

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さて、話も終わったことだし・・・でもまあ、最後に確認はするか。

「では皆さんに再度問います。私の下で働いてくれますか?」

「俺は賛成っす。」

一人が肯定の意を表したことで、我先にとどんどん賛同者が増えていく。

後残るはこのリーダー格の人。周りの人達も期待しながら彼のことを見る。

・・・・思ったんだけど、なんでこいつらこんなあっさり就職を希望したのかしら?

・・正義ごっこやってる内に自分のイタさに気付いたとか?いや、ないか・・・・

・・・・・・暇なので、先ほどからひたすら考えている様子のリーダーを見つめる。

目をキラキラさせて。

「・・・うっ・・・」

目をウルウルさせて。

「・・・・・・っ!」

切ない目で見て。

「はぁ・・・・・・・・いいだろう、お前の所で働くよ。」

よし、私の勝ち!!

と思った瞬間、どデカイ歓声が上がった。ちらほらと『やった、これでやっとうまい飯が食える!!』といった声もきこえてきた。

さてはお前ら、それが目当てだろ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そっからがたいへんだった。皆の盗賊装束(仮面と他一部)をひっぺ返して処分して、町に戻ったころにはもう夕刻。

町に入るときに、一生懸命考えた理由を門番に笑顔で認めさせても、また一苦労。
なんか、皆異様に美形なのだ。うらやま。だから、ずらずらと歩くイケメン集団に人だかりができて、家に着くまでがほんと苦痛だった。
 まあ、『明後日からはこのイケメンさん達も私のお店の手伝いをすることになるので、よければいらして下さい』と宣伝効果にも使わせて貰ったからいいけど。明日は教育です!

前もって大きい家を購入していて良かった。アルフォンスもそこに移店させてある。

大手の商家が購入するほどの家なので、元賊、もとい私の忠実なる僕ども総勢十名も余裕で寝泊まりできる。大体五部屋ほどを彼らの為に融通するつもりだ。


部屋割りを本人達に任せたのだが、本気でじゃんけんを始めだしたので、思わず吹いてしまった。

・・・・・・・・しかもなんのジャンケンかと聞いてみたら・・・・私の部屋から近い順だって。




・・・・・・・思わず寒気がした。


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最後まで読んで下さってありがとうございました。

また次回もよろしくお願いします。

感想や誤字脱字の指摘、評価などお待ちしております!!



次回予告!!


「どーもメリアです!!」

「アーサーです!!」

「二人合わせて」

「「メリアーサー!!」」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・終わろっか・・」

「・・・・・・・・・そうだね・・」

ネタ切れのお二人。ピンチだっ!
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