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第18章 espresso
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俺の最近の土曜の朝は早い。
「起きろーっ!」
必ずと言って良い程、潤一さんのこの声で起こされる。
深夜までバイトをしている身としては、もっと寝ていたいし、正直……キツイ。
でも、休日にも関わらず、俺の通院に付き合ってくれてる潤一さんに逆らうことは、今の俺には許されない。
つか、自転車でも行けない距離じゃないし、一人でも行けるんだけど……
まあでも仕方いないよね、森岡先生は潤一さんの先輩だし、俺のためにわざわざ休診日に診察室を解放してくれてるんだから。別に平日でも全然良いのに、つか寧ろ平日の方が、俺としては身体も楽だし、都合も良いんんだけどね。
「車で待ってるから、さっさと準備しろよ?」
『へ~い……』
俺はのそのそとベッドから抜け出すと、寝癖で爆発した髪を乱暴に掻いた。
寝巻き代わりのTシャツとハーフパンツを脱ぎ、別のTシャツとハーフパンツに着替える……けど、あんま変化が無いように見えるのは、俺の気のせいじゃないよな?
とは言え、潤一さんや雅也さんみたくファッションに興味があるわけでもないし、こんなんしか持ってないんだから仕方ない。
俺は自分に言い訳をして、Tシャツの上から手近にあったパーカーを羽織ると、スマホと財布だけをポケットに入れ、部屋を出た。
必需品だったメモ帳とペンは、バイトの時以外は持ち歩くのを止めた。
森岡先生のカウンセリングと、音声専門の理学療法を受けるうち、微かに……だけど、耳を澄ましてないと聞き取れない程度だし、囁き声のような小さな声だけど、少しずつ出せるようになっていた。
だから、森岡先生には無理をする必要はないって言われたけど、俺は極力筆談での会話を控えるようにした。
どうしてもって時はスマホで代用は出来るし……
ただバイトの時だけは、騒々しい中で俺の蚊の鳴くような声が届く筈もなく、かと言ってスマホを使おうにも、一々面倒なことが多すぎるから、俺用に用意されたホワイトボードを利用することにした。
少しずつ、本当に小さなことだけど、少しずつ俺の中で何かが変わろうとしていた。
「起きろーっ!」
必ずと言って良い程、潤一さんのこの声で起こされる。
深夜までバイトをしている身としては、もっと寝ていたいし、正直……キツイ。
でも、休日にも関わらず、俺の通院に付き合ってくれてる潤一さんに逆らうことは、今の俺には許されない。
つか、自転車でも行けない距離じゃないし、一人でも行けるんだけど……
まあでも仕方いないよね、森岡先生は潤一さんの先輩だし、俺のためにわざわざ休診日に診察室を解放してくれてるんだから。別に平日でも全然良いのに、つか寧ろ平日の方が、俺としては身体も楽だし、都合も良いんんだけどね。
「車で待ってるから、さっさと準備しろよ?」
『へ~い……』
俺はのそのそとベッドから抜け出すと、寝癖で爆発した髪を乱暴に掻いた。
寝巻き代わりのTシャツとハーフパンツを脱ぎ、別のTシャツとハーフパンツに着替える……けど、あんま変化が無いように見えるのは、俺の気のせいじゃないよな?
とは言え、潤一さんや雅也さんみたくファッションに興味があるわけでもないし、こんなんしか持ってないんだから仕方ない。
俺は自分に言い訳をして、Tシャツの上から手近にあったパーカーを羽織ると、スマホと財布だけをポケットに入れ、部屋を出た。
必需品だったメモ帳とペンは、バイトの時以外は持ち歩くのを止めた。
森岡先生のカウンセリングと、音声専門の理学療法を受けるうち、微かに……だけど、耳を澄ましてないと聞き取れない程度だし、囁き声のような小さな声だけど、少しずつ出せるようになっていた。
だから、森岡先生には無理をする必要はないって言われたけど、俺は極力筆談での会話を控えるようにした。
どうしてもって時はスマホで代用は出来るし……
ただバイトの時だけは、騒々しい中で俺の蚊の鳴くような声が届く筈もなく、かと言ってスマホを使おうにも、一々面倒なことが多すぎるから、俺用に用意されたホワイトボードを利用することにした。
少しずつ、本当に小さなことだけど、少しずつ俺の中で何かが変わろうとしていた。
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