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第8章 009
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その後、翔真と智樹は何度か事情を聞くために警察に呼ばれたが、黒瀬の弁護のおかげもあってか、二人が罪に問われることは一切なかった。
驚いたことに、弘行を殺しの張本人である相原も、そして偽装誘拐の計画を企て、実際に自作自演の誘拐劇を演じた岸本も、証拠不十分として無罪放免されたことを、その後のニュースで報じられた。
あれだけの証拠と供述がありながら何故……?
二人は当然首を傾げたが、深く追求することはしなかった。
事前に振り込まれた金と、後日振り込まれた金を返却しなくても良いと言う条件で、口を噤むことを約束されたからだ。
二人は金を手にする代わりに、「0号室」で起きたこと全てを、記憶の奥底に仕舞い込んだ。
セキュリティのプロでもある本木でさえ、決して開けることの出来ない、頑丈な鍵をかけて……
勿論、事件の真相を黙っていることに、罪悪感が全く無かったわけではない。寧ろ罪悪感でいっぱいだった。
それでも二人が黙秘を選んだのには、自身の保身のため……なのだろう。
ただ、二人が岸本誘拐に使ったツナギと、翔真に送られて来たメールの文面だけは、処分することはしなかった。
二人がそれをどう利用するかは……
そして、「0号室」にあった筈の証拠品の数々がどこに消えてしまったのか……
それは……
『誰も知らない』
驚いたことに、弘行を殺しの張本人である相原も、そして偽装誘拐の計画を企て、実際に自作自演の誘拐劇を演じた岸本も、証拠不十分として無罪放免されたことを、その後のニュースで報じられた。
あれだけの証拠と供述がありながら何故……?
二人は当然首を傾げたが、深く追求することはしなかった。
事前に振り込まれた金と、後日振り込まれた金を返却しなくても良いと言う条件で、口を噤むことを約束されたからだ。
二人は金を手にする代わりに、「0号室」で起きたこと全てを、記憶の奥底に仕舞い込んだ。
セキュリティのプロでもある本木でさえ、決して開けることの出来ない、頑丈な鍵をかけて……
勿論、事件の真相を黙っていることに、罪悪感が全く無かったわけではない。寧ろ罪悪感でいっぱいだった。
それでも二人が黙秘を選んだのには、自身の保身のため……なのだろう。
ただ、二人が岸本誘拐に使ったツナギと、翔真に送られて来たメールの文面だけは、処分することはしなかった。
二人がそれをどう利用するかは……
そして、「0号室」にあった筈の証拠品の数々がどこに消えてしまったのか……
それは……
『誰も知らない』
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