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第8章 009
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「で、でもだよ? 自分で自分を誘拐させるとか、俺には理解出来ないんだけど……」
ボサボサになった頭を、更にボサボサにさせ、しきりに首を傾げる翔真……
すると……
「ふ、ふふふふふ……」
突然岸本が気味の悪い笑い声を立て始めた。
そして、それまで座っていた脚の長いカウンターチェアから勢い良く飛び降りると、腰を左右に捻り、最後には首をコキッと鳴らした。
「あーあ、上手く行くと思ったんだけどな……、残念」
「え、え、ちょっとどういうこと?」
「まさかアンタ……、マジで言ってんの?」
翔真も、そして智樹も、それまでいかにも気弱そうにしていた岸本の変貌ぶりに、呆然……というよりは唖然とした様子で、どうにか混乱した頭を整理しようと試みるが、なかなかそれも上手くいかず、何度も首を捻っては、目を白黒させた。
「えっと……、分かるように説明してくんない?」
「そ、そうだよ、何でこんなこと……つか、まさかアイツもアンタが……?」
詳しい説明を求める二人に、岸本は垂れ気味の目をキッと鋭くさせ、ついでに鼻をフンと鳴らすと、さも面倒臭そうに溜息を一つ落とした。
「そうだよ、俺だよ。でも別に俺悪くないし……。悪いのは弘行だし」
そう言った岸本の口調には、全く悪びれた様子は見られず、それどころか、死んで当然だとばかりに爪を噛んでいる。
ボサボサになった頭を、更にボサボサにさせ、しきりに首を傾げる翔真……
すると……
「ふ、ふふふふふ……」
突然岸本が気味の悪い笑い声を立て始めた。
そして、それまで座っていた脚の長いカウンターチェアから勢い良く飛び降りると、腰を左右に捻り、最後には首をコキッと鳴らした。
「あーあ、上手く行くと思ったんだけどな……、残念」
「え、え、ちょっとどういうこと?」
「まさかアンタ……、マジで言ってんの?」
翔真も、そして智樹も、それまでいかにも気弱そうにしていた岸本の変貌ぶりに、呆然……というよりは唖然とした様子で、どうにか混乱した頭を整理しようと試みるが、なかなかそれも上手くいかず、何度も首を捻っては、目を白黒させた。
「えっと……、分かるように説明してくんない?」
「そ、そうだよ、何でこんなこと……つか、まさかアイツもアンタが……?」
詳しい説明を求める二人に、岸本は垂れ気味の目をキッと鋭くさせ、ついでに鼻をフンと鳴らすと、さも面倒臭そうに溜息を一つ落とした。
「そうだよ、俺だよ。でも別に俺悪くないし……。悪いのは弘行だし」
そう言った岸本の口調には、全く悪びれた様子は見られず、それどころか、死んで当然だとばかりに爪を噛んでいる。
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