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第8章 009
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「順を追ってお話ししましょう」
黒瀬はスッと息を吸い込むと、それを一気に吐き出し、続けて咳払いを一つした。
「まず、11時頃ですか……。この部屋に最初に足を踏み入れたのは、貴方方で間違いありませんか?」
決して鋭くはない、でもどこか冷たさを感じる視線を向けられ、翔真と智樹は顔を見合わせることなく、同時に頷いた。
「その時、部屋の中には、貴方方以外に誰かいましたか?」
「いたって言うか、ベッドで寝てる人はいたけど……」
嘘を言っているつもりはなかった。
二人が弘行の死体を発見した時は、当然のように弘行は生きているものだと思っていた。
それが一転、〝死体〟だと判明したのは、他でもない目覚めた直後の岸本の一言があったからだ。もしも岸本が死体だなどと言わなければ、二人は早々に部屋から出るつもりだった。
尤も、どうしてだかドアがロックされた状態になり、それは叶わなかったが。
「おかしいですね。岸本さんのお話では、岸本さんが目を覚ました時には、既にお二人はこの部屋にいたことになり、それぞれの証言に微妙なズレが生じることになりますが……」
「そ、それは……、その……、なんつーか……」
言い淀む翔真の横で、智樹が溜息でも落とすように息を吐き出した。
黒瀬はスッと息を吸い込むと、それを一気に吐き出し、続けて咳払いを一つした。
「まず、11時頃ですか……。この部屋に最初に足を踏み入れたのは、貴方方で間違いありませんか?」
決して鋭くはない、でもどこか冷たさを感じる視線を向けられ、翔真と智樹は顔を見合わせることなく、同時に頷いた。
「その時、部屋の中には、貴方方以外に誰かいましたか?」
「いたって言うか、ベッドで寝てる人はいたけど……」
嘘を言っているつもりはなかった。
二人が弘行の死体を発見した時は、当然のように弘行は生きているものだと思っていた。
それが一転、〝死体〟だと判明したのは、他でもない目覚めた直後の岸本の一言があったからだ。もしも岸本が死体だなどと言わなければ、二人は早々に部屋から出るつもりだった。
尤も、どうしてだかドアがロックされた状態になり、それは叶わなかったが。
「おかしいですね。岸本さんのお話では、岸本さんが目を覚ました時には、既にお二人はこの部屋にいたことになり、それぞれの証言に微妙なズレが生じることになりますが……」
「そ、それは……、その……、なんつーか……」
言い淀む翔真の横で、智樹が溜息でも落とすように息を吐き出した。
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