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第7章 008
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手帳を閉じ徐に席を立った成瀬は、足音を立てることなく弘行の遺体が横たわるベッドに歩み寄ると、静かに両手を合わせた。
そして、返事など返ってこないことを分かりながらも「失礼しますね」と声をかけると、首元までかけてあった布団を捲り、服の上から弘行の身体に触れた。
シャツの胸ポケットから、スラックスのポケット、それぞれに手を突っ込むが、目的の物が見つからなかったのか、小さく息を吐き出し……
「すみません、どなたか手伝って頂けませんか?」
リビングに集まる五人には視線を向けることなく言った。
「誰でも良いの?」
「ええ、勿論です」
「じゃあ、俺でも良い?」
「ええ、お願いします」
最初に名乗りを上げたのは、やっぱり翔真で……
「あの、馬鹿が……」
智樹が心の中で舌打ちをしたのを知ってか知らずか、パーティションで仕切られた向こうへいそいそと駆けて行く。
「ねぇねぇ、何をどうすれば良いの?」
「このご遺体の向きを変えたいんですが、私一人ではどうも力足らずでして……」
「なんだ、そんなこと? 任せて」
翔真は自慢げに胸を叩くと、ベッドの上に膝立ちになり、弘行の丁度背中の辺りに両手を突っ込んだ。
それを見て黒瀬も翔真と同じように膝立ちになると、弘行の膝の辺りに両手を突っ込んだ。
そして、返事など返ってこないことを分かりながらも「失礼しますね」と声をかけると、首元までかけてあった布団を捲り、服の上から弘行の身体に触れた。
シャツの胸ポケットから、スラックスのポケット、それぞれに手を突っ込むが、目的の物が見つからなかったのか、小さく息を吐き出し……
「すみません、どなたか手伝って頂けませんか?」
リビングに集まる五人には視線を向けることなく言った。
「誰でも良いの?」
「ええ、勿論です」
「じゃあ、俺でも良い?」
「ええ、お願いします」
最初に名乗りを上げたのは、やっぱり翔真で……
「あの、馬鹿が……」
智樹が心の中で舌打ちをしたのを知ってか知らずか、パーティションで仕切られた向こうへいそいそと駆けて行く。
「ねぇねぇ、何をどうすれば良いの?」
「このご遺体の向きを変えたいんですが、私一人ではどうも力足らずでして……」
「なんだ、そんなこと? 任せて」
翔真は自慢げに胸を叩くと、ベッドの上に膝立ちになり、弘行の丁度背中の辺りに両手を突っ込んだ。
それを見て黒瀬も翔真と同じように膝立ちになると、弘行の膝の辺りに両手を突っ込んだ。
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