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第7章  008

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「では、このカードキーを偽造したのは、セキュリティに関して深い知識と、技術を併せ持った人間……ということになりますね?」

 黒瀬の顔から、一瞬にして微笑みが消える。それどころか、心做しか視線が鋭くなっているようにさえ見える。

「つまり、セキュリティ会社に勤める貴方も、容疑者の一人……と言うことになりますが……」
「そうですね。そう言うことになりますね」

 自身が疑われているにも関わらず、本木は表情を変えることなく、背筋をピンと伸ばし黒瀬を見つめた。
 至って冷静に黒瀬の意見を受け止めといるようだった。

 反して相原は、ソファの肘掛をバンと両手で叩き……

「き、き、貴様……いや、君、本木君はこの私が信頼している人間の一人だ。その本木君に対して疑いの目を向けるとは、けしからん!」

 至極憤慨した様子で黒瀬に向かって人差し指を向けた。

「社長、私はあくまで〝可能性がある〟と申し上げただけです。第一、私から言わせて貰えば、この部屋にいる全員が、容疑者なのですから。勿論、社長貴方も例外ではありません」
「な、何だと……?」

 まさか自分が疑われるとは、露とも思っていなかった相原は、愕然とした様子でソファに腰を沈めた。

「俺が……この俺が、容疑者……」
「あくまで可能性の問題なので、お気になさらずに……」

 言われても相原の耳には入っていないのか、相原は両手で頭を抱え込んだ。
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