RoomNunmber「000」

誠奈

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第7章  008

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 一瞬、高圧的とも思える視線が智樹に降り注ぐ。

「確かにそう思われるかもしれません。ですがそれは間違った常識です」

 本木は四枚のカードを手に取ると、まるでトランプのカードのように扇形に広げて見せる。

「まず、本物とそうでないカードには、決定的な違いがあります。分かりますか?」

 扇形に広げたカードを、その場にいる全員に見えるよう、身体ごとクルリと回った。

「えっと……、ICチップが内蔵されてるかどうか、ってことですかねぇ……」

 口を開いたのは、それまでずっと鼻を掘ったり、時には居眠りを繰り返していた岸本だった。

「そうです。カードキーのタイプには、大きく分けて三つの種類があります。表面にバーコードが印字された物と磁気タイプの物、そしてこのホテルで使用されているICチップ内蔵型のタイプに分けられ、多くの場合は磁気タイプか、ICチップ内蔵タイプに分けられます」

「へ、へぇ……、そうなんだ……」

 安アパートに住む翔真にとって、磁気やらICチップやらといった物はほぼ無縁のせいか、思わず声が漏れる。

「仮に複製するとしたら、恐らくバーコードタイプの物が一番手っ取り早いんですが、実際素人が本物そっくりに複製しようと思っても、中々簡単に出来ることではありません」
「そりゃそうだろ。そんな簡単に何枚も造られては困る」

 腕を組んだ相原が、フンとばかりに鼻を鳴らした。
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