RoomNunmber「000」

誠奈

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第6章  007

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「お言葉を返すようですが相原社長」

 口元だけに笑みを残し、真剣な……と言うよりは、冷徹とも見れる視線を相原に向けた。

「な、なんだ……」
「ここにいる皆さんは今、殺人事件の容疑者です。お立場は分かりますが、今はそれに拘っている状況ではないと思うんですが……」
「確かに……」

 黒瀬に同調するように、本木がピクリとも身体を動かすことなく頷く。

 それには相原も唇を不満げに尖らせるしか出来ず……

「わ、分かった……」

 相原は一人がけソファの上で膝を抱えると、膝の間に顔を埋め、拗ねた素振りで下唇を突き出した。その姿は最早、社長と言うよりは、ただの駄々っ子に見えなくもない。
 翔真は吹き出しそうになるのを、両手で口を抑えて堪えた。

「では、続きを……」

 黒瀬が再びペンを手に取り、身体ごと頑として仏頂面を崩さない智樹に視線を向けた。

「皆さんにもお聞きしていることですが、貴方がこの部屋に入ったのは、大体でかまいませんが、何時頃ですか?」

 黒瀬の表情は、口調と同じく柔らかな物に戻っている。

「俺がここに来たのは……」

 智樹の視線が、一瞬翔真に向けられる。
 すると翔真は、クルリと背を向け、背中で結んだ両手から、人差し指と中指を二本……ピンと立てた。
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