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第6章 007
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現状維持のためか、黒瀬は弘行には触れることなく…………
「詳しいことは鑑識の判断によりますが、どうやら病死の類いでないことは間違いなさそうですね」
目視だけで遺体の状態を確認すると、相原を振り返ることなく言った。
「ってことは何か、殺されたってこと……なのか?」
「そうですね。僅かにですが、首に擦過傷もあることですし、恐らく紐状の物で首を絞められたんではないかと……」
あくまで〝仮定〟ですがと付け加え、黒瀬は一瞬辺りを見回したかと思うと、翔真と智樹が膝を抱えて座っている、丁度死角になっている部分に視線を止めた。
「清掃員さん、申し訳ないのですが、手袋を貸して頂けませんか? まさか必要になるとは思わず、置いて来てしまったので……」
パーティションの向こうからかけられる声に、翔真は自身の手元に視線を向けた。
「手袋って……、これで良いのかな?」
「良いんじゃねぇの?」
隣で同じように膝を抱える智樹をチラリと見るが、さも面倒臭そうに言い捨てられ、翔真は小さな溜息を吐き出すと同時に肩を竦める。
「こんなんしかありませんけど、これで良かったら……」
いつの間にか翔真達のすぐ近くまで来ていた黒瀬に、自身の手から抜き取ったゴム手袋を差し出した。
「詳しいことは鑑識の判断によりますが、どうやら病死の類いでないことは間違いなさそうですね」
目視だけで遺体の状態を確認すると、相原を振り返ることなく言った。
「ってことは何か、殺されたってこと……なのか?」
「そうですね。僅かにですが、首に擦過傷もあることですし、恐らく紐状の物で首を絞められたんではないかと……」
あくまで〝仮定〟ですがと付け加え、黒瀬は一瞬辺りを見回したかと思うと、翔真と智樹が膝を抱えて座っている、丁度死角になっている部分に視線を止めた。
「清掃員さん、申し訳ないのですが、手袋を貸して頂けませんか? まさか必要になるとは思わず、置いて来てしまったので……」
パーティションの向こうからかけられる声に、翔真は自身の手元に視線を向けた。
「手袋って……、これで良いのかな?」
「良いんじゃねぇの?」
隣で同じように膝を抱える智樹をチラリと見るが、さも面倒臭そうに言い捨てられ、翔真は小さな溜息を吐き出すと同時に肩を竦める。
「こんなんしかありませんけど、これで良かったら……」
いつの間にか翔真達のすぐ近くまで来ていた黒瀬に、自身の手から抜き取ったゴム手袋を差し出した。
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