RoomNunmber「000」

誠奈

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第4章  005

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 声高らかに自社のモットーでもある言葉を口にした相原は、床に束ねられた掃除道具の中から毛バタキを手に取ると、ついさっきまで腰を抜かしてたとは思えない機敏な動きでテーブルの上から、ソファの座面から背もたれ、キャビネットの上、果ては観葉植物の葉の裏まで、毛バタキ一つで丁寧に拭き取っていき、最後にベッドサイドに置かれたテーブルの上に手を付けかけた……が、ふとベッドで眠る弘行のことが気になった。

「そう言えば、この男……、さっきからピクリとも動かないが……」

 相原の手が弘之に伸ばされた。
 そして弘之の首元に指先が触れた瞬間、相原の顔から一気に血の気が引いた。

「お、お、お、おいっ! こいつ……まさか死んで……る?」

 目の前の光景が信じられないのか、相原の目がベッドの上と、相原とは別の意味で青ざめる翔真と智樹との間を、所在なさげに彷徨い……
 漸く一つの結論に辿り着く。

「ひ、ひ、ひ、人殺しっ……!」

 悲鳴を上げながら後ずさり、バタバタと転げるようにして部屋の入口まで向かうと、ドアノブをガチャガチャと捻った……が、何度捻ってみてもドアはピクリとも動かなくて……

「な、な、な、なんで……っ!」

 ドアが開かないことへの焦りと、自分が殺されるかもしれないという恐怖とで、相原の額にはいつしか大粒の汗が浮かんでいた。
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