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第3章 003
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「おい、何してんだよ……」
思いのほか広い部屋は、リビング部分と寝室部分がパーテションで仕切られていて、広さは20畳程はあるだろうか、見るからに豪華な造りになっている。
ソファやテーブルと言った家具は勿論のこと、細かな調度品に至るまで、流石日本……いや、世界屈指のホテルチェーンと呼ばれるだけあって、全てが洗練された物ばかりだ。
ただ残念なことに、この部屋には明り取りのための窓は一つもなく、四方が壁で囲まれていて、照明がなければ全くの暗闇と化すような造りになっている。
智樹は普段は感じることのない、毛足の長いカーペットの柔らかな踏み心地を足の裏に感じながら、寝室とリビングとを仕切るパーティションの前で、ひっくり返ったワゴン諸共尻もちを付いている翔真に手を差し出した。
「ほら、掴まれよ」と。
ところが翔真は智樹の手を取ることもせず、一点を見つめては首を小刻みに震わせていて……
「おい、どうしたんだよ」
見るからに顔色の悪くなった翔真を、訝しむように見下ろした。
すると……
「あ、あれ……」
翔真は、視線と同じく一点を指差し、声を震わせた。
「あれって……?」
「だ、だ、だ、だから、死体!」
まるで叫ぶように言って、翔真は智樹の足に縋り付いた。
思いのほか広い部屋は、リビング部分と寝室部分がパーテションで仕切られていて、広さは20畳程はあるだろうか、見るからに豪華な造りになっている。
ソファやテーブルと言った家具は勿論のこと、細かな調度品に至るまで、流石日本……いや、世界屈指のホテルチェーンと呼ばれるだけあって、全てが洗練された物ばかりだ。
ただ残念なことに、この部屋には明り取りのための窓は一つもなく、四方が壁で囲まれていて、照明がなければ全くの暗闇と化すような造りになっている。
智樹は普段は感じることのない、毛足の長いカーペットの柔らかな踏み心地を足の裏に感じながら、寝室とリビングとを仕切るパーティションの前で、ひっくり返ったワゴン諸共尻もちを付いている翔真に手を差し出した。
「ほら、掴まれよ」と。
ところが翔真は智樹の手を取ることもせず、一点を見つめては首を小刻みに震わせていて……
「おい、どうしたんだよ」
見るからに顔色の悪くなった翔真を、訝しむように見下ろした。
すると……
「あ、あれ……」
翔真は、視線と同じく一点を指差し、声を震わせた。
「あれって……?」
「だ、だ、だ、だから、死体!」
まるで叫ぶように言って、翔真は智樹の足に縋り付いた。
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