H･I･M･E ーactressー

第34章 ｓｃｅｎｅ６：ＨＩＭＥは君の中にずーっといるよ♡

12

  もぉ……、翔真くんたら♡

  みんなが見てるのに……、僕、恥ずかしいよ？

  でもやっばり嬉しい♪


  「なんつーかさ、上手く言えないんだけど……さ、俺にとってＨＩＭＥちゃん”は特別な存在であることは間違いないんだけど、でも智樹とは違う特別なんだよね」

  うーん、僕は翔真くんみたいに頭も良くないし、相原さんの言う《永遠のアイドル》なんてのも経験ないから、やっばり何がどう違うのか分かんないけど、何とな～くだけど分かって来たような気がする。

  「だからさ……」
  「もう良いよ、分かったから……」
  「え……？」
  「んとね、ＨＩＭＥは翔真くんのココにいるんだよね？」

  僕は言いながら翔真くんの額をツンと指で突いた。

  「翔真くんの頭の中にずーっといるんだよね？」


  そーゆーことだよね？


  「うん。ＨＩＭＥちゃんは、俺の記憶の中にいるし、胸の中にもいるんだ。これからもずっとずっと」

  ずっと、か。
  やっばり妬けちゃうな……

  「でもさ、いくらＨＩＭＥちやんの記憶が色濃く残っていたとしても、常に思い出すのは智樹のことで、考えるのだって智樹のことばっかなんだ」

  うん、それは僕も同じかも。

  ふとした時に思うのは、いっつも翔真くんのことばっかだもん。

  今何してるかな、ご飯は食べたかな、会いたいな、って。

  考えるのは、いつだって翔真くんのことばっかだもん。

  「なんか、ごめんね？  僕、ちゃんと好きな人と付き合うとか、あんまり経験なかったから、つい欲張りになっちゃって……」


  ってゆーか、恋愛経験値なんてほぼゼロに近いんだけど……


  だから僕以外の人を見て欲しくなかったんだ。

  ま、ＨＩＭＥは僕でもあるんだけどね？

  「うん、俺もそれは同じだよ？  俺も欲張りにはなってるかも」

  え、そうなの？

  「だって俺、出来ることなら２４時間、片時も離れてたくないもん」

  え、それって、僕とってことで良いの……かな？


  ふふ、だとしたら凄く嬉しいんだけど♪