H･I･M･E ーactressー

第33章 ｓｃｅｎｅ６：君だけのＨＩＭＥにして？

７

  きっと翔くんは知ってるんだよね、僕がそうされると感じるってことを……

  だからしつこいくらいに僕のオッパイばかり攻めてくる。

  気持ちイイ……よ？
  すっごーく、気持ちイイ。

  お股がムズムズしちゃうくらい……、小さなパンティが窮屈に感じるくらい……

  気持ちイイ。

  でも同時に焦れったさも感じていて……

  だってさ、翔真くんたらさ、ずーっとブラジャーの上からクニクニするだけでさ、全然直に触れてくれないんだもん。

  そりゃ……さ、いつもよりパット薄目だから、直に触れられてる感覚には、割と近かったりもするんだけど、それでもやっぱり僕は、翔真くんの指に直接触れて貰いたいし、舐めてだって欲しい。

  僕はオッパイを揉み揉みする翔真くんの手を掴むと、翔真くんの目をジッと見つめて、静かに首を横に振った。

  「どうしたの？」
  「あの……ね、……………欲しいの」
  「え……？  何て言ったの？」

  僕の声がちゃんと聞き取れなかったのか、翔真くんが首を傾げる。

  ってゆーか、本当はちゃんと聞こえてるんでしょ？

  翔真くんの目を見れば分かるもん。

  「だか……ら、………って？」
  「うーん、もうちょっとハッキリ言ってくれる？」

  あーもぉ……、翔真くんてばどうしてそんなに意地悪するの？

  僕はプゥッと頬を膨らませると、絶対真っ赤になっているであろう顔を背けた。

  「オッパイ……、直に触って欲しいの。それから……舐めて欲しい」

  そしてやっとの思いでそれだけを言うと、僕は両手で顔を覆った。

  だってさ、凄く恥ずかしかったんだもん。

  そりゃさ、撮影の現場でなら言い慣れてる台詞だけど、今はお仕事中でもないし、僕はもう《彗星の如く現れた男の娘アイドルＨＩＭＥちゃん》じゃないんだもん。

  大田智樹ってゆー、どこにでもいる平凡な男の子なんだもん。