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第32章 scene6:僕はHIME…
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斗子さんお奨めの新色リップを唇に塗って貰い、キュッと髪を纏めた頭に、濃いブラウンのウィッグを被せられる。
そうなると、鏡の中の僕は勿論のこと、僕自身がもうすっかりHIMEになっていて……
「さ、フィッティングルームの方に移動しましょうね?」
ピンクのケープを外され、着古したダンガリーシャツを見た瞬間に、僕はちょっぴりショックを受けた。
だってさ、顔と服とのギャップが激し過ぎなんだもん。
こんなことなら、管理人さんやご近所さんのことなんて気にせず、最初っからHIMEの姿で家を出てくれば良かった。
……って、今更後悔したってしょうがないんだけどさ、やっぱり後悔しちゃうよ……
「こっちよ?」
斗子さんに案内されて、真っ白なドアを開ける。
多分前にも入ったことのある部屋なんだろうけど、ドアを開ける瞬間はやっぱり緊張する。
特別何かがあるわけじゃないんだけど、空気が違うってゆーか……、一面の大きな窓から射し込む柔らかな日差しと、そこから見える緑がいっぱいのお庭の雰囲気がそう感じさせるのかもしれない。
「ねぇ、あれが僕のドレ……ス?」
部屋の片隅で、袖を通されるのを今か今かと待ち侘びるようにハンガーに吊るされた真っ白なドレスに、僕の視線が釘付けになる。
「ええ、そうよ? どうかしら……」
「えっと……、あの……、その……」
言葉にならなくて、ただただその場から動くこともなく、ドレスを見つめる僕を見て、斗子さんの表情が一瞬曇る。
「気に入らなかった……かしら?」
ううん、違うの、そうじゃなくて……
「素敵過ぎて……」
確かにさ、こんな感じで……って、僕の好みもしっかり伝えてオーダーはしたよ?
でもさ、前に撮影で着たドレスもそうだけど……ううん、それ以上に可愛くて、なのにどこかセクシーで……
「斗子さん、ありがとう……、僕……」
泣いちゃダメなのに……
せっかく綺麗にメイクして貰ったのに……
あんまり嬉し過ぎて、僕……涙が出てきちゃう。
そうなると、鏡の中の僕は勿論のこと、僕自身がもうすっかりHIMEになっていて……
「さ、フィッティングルームの方に移動しましょうね?」
ピンクのケープを外され、着古したダンガリーシャツを見た瞬間に、僕はちょっぴりショックを受けた。
だってさ、顔と服とのギャップが激し過ぎなんだもん。
こんなことなら、管理人さんやご近所さんのことなんて気にせず、最初っからHIMEの姿で家を出てくれば良かった。
……って、今更後悔したってしょうがないんだけどさ、やっぱり後悔しちゃうよ……
「こっちよ?」
斗子さんに案内されて、真っ白なドアを開ける。
多分前にも入ったことのある部屋なんだろうけど、ドアを開ける瞬間はやっぱり緊張する。
特別何かがあるわけじゃないんだけど、空気が違うってゆーか……、一面の大きな窓から射し込む柔らかな日差しと、そこから見える緑がいっぱいのお庭の雰囲気がそう感じさせるのかもしれない。
「ねぇ、あれが僕のドレ……ス?」
部屋の片隅で、袖を通されるのを今か今かと待ち侘びるようにハンガーに吊るされた真っ白なドレスに、僕の視線が釘付けになる。
「ええ、そうよ? どうかしら……」
「えっと……、あの……、その……」
言葉にならなくて、ただただその場から動くこともなく、ドレスを見つめる僕を見て、斗子さんの表情が一瞬曇る。
「気に入らなかった……かしら?」
ううん、違うの、そうじゃなくて……
「素敵過ぎて……」
確かにさ、こんな感じで……って、僕の好みもしっかり伝えてオーダーはしたよ?
でもさ、前に撮影で着たドレスもそうだけど……ううん、それ以上に可愛くて、なのにどこかセクシーで……
「斗子さん、ありがとう……、僕……」
泣いちゃダメなのに……
せっかく綺麗にメイクして貰ったのに……
あんまり嬉し過ぎて、僕……涙が出てきちゃう。
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