H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第31章  日常16:僕の彼氏を紹介します

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  その後、僕達は冷蔵庫にストックしてあったビールを全て飲み尽くすと、片付けは後回しにしてベッドに入った。

  「ねぇ、そう言えば最近肌の手入れとかしてる?」

  僕の頬を撫でた和人が眉をひそめて言うから、僕は今にも閉じてしまいそうな瞼を擦りながら、首を横に振った。

  「やっぱり……。凄いガサガサしてる」

  え、そんなに?

  確かにお仕事を辞めてからは、お肌のお手入れなんて必要ないと思ってたし、しようと思ったこともないから、お肌は多少荒れてるとは思うけど……

  「ウェディングドレス明後日よね?」
  「う、うん……」
  「起きて? ほら、早く!」


  え、え、え、えぇ~、僕眠いのに?


  僕は仕方なく身体を起こすと、和人に手を引かれるまま洗面所に向かい、鏡の前に立った。

  「もぉ……、こんなボロボロの肌じゃ、いくら綺麗にメイクしたって無駄になっちゃうでしょ?」

  言いながら和人がコットンに化粧水を垂らし、それを僕のお顔に幾つか貼り付けて行く。

  どうやら即席のパックのつもりらしい。

  「でも明後日だよ? 今更手遅れじゃない?」

  一回や二回お手入れしたって、肌荒れが改善されるとは思わないけど……

  「手遅れでもなんでも、何もしないよりはマシでしょ?」

  確かに和人の言う通りかも。

  うん、ここは素直に和人の言う事を聞いておこう♪



  念入りにお手入れして貰って、僕達がベッドに入ったのは、結局深夜になってからのことだった。

  その頃にはすっかり眠気も覚めていたし、酔いも覚めて来てて、中々寝付けずに、ベッドの中でゴロゴロしていたんだけど……

  「睡眠不足はお肌の敵よ!」

  って和人に言われて無理矢理瞼を閉じた。

  そしたらさ、和人の腕枕が気持ち良かったせいもあるけど、すぐに睡魔が襲って来て……

  「おやしゅ……み……」
  「うん、おやすみ」

  翔真くんじゃなかったのは……ちょっぴり残念だけど、和人にチュッと額にキスをされて、僕は深い眠りに落ちた。
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