H･I･M･E ーactressー

第31章 日常16：僕の彼氏を紹介します

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　「だから言ったでしょ、心配いらない、って」

　堪らず仲裁に入ろうとした僕の肩を、翔真くんがそっと抱き寄せる。

　うん、それは分かったけど……、どうしてこんな展開になってるのか、僕の思考は全く追いつけず……

　「だって和人、すっごーく怒ってたよ？」
　「うん、確かに怒ってたね……」
　「じゃあ何でキスしてんの？」

　しかも、僕達が見てるにも関わらず、二人の行為はどんどんエスカレートして行くし……

　「それはあれだろ？　俗に言う、ヤキモチってやつじゃない？」

　ヤキモチ……って、和人が嫉妬したっ……てこと？

　え、でもだって和人だよ？
　そんな素振り、今まで一度だって見せたことないのに……

　「そりゃさ、自分の恋人が、他の男……女でもそうなんだけどさ、裸見て興奮してたらさ、普通に嫉妬するでしょ？」
　「うん……」
　「俺だってその……するしさ……」

　あ……
　そう言えば翔真くんもさっき、僕と和人がナニをしていたと勘違いして、そんで嫉妬して……

　でもだよ？
　この状況は流石になくない？

　だってさ、すぐ傍ってゆーか、１メートルもない距離の所に僕達がいるんだよ？

　なのにキスどころか、和人は相原さんの息子をハムハムしてるし、相原さんも相原さんで、和人の息子くんをちゅぱちゅぱしてるし……

　ＡＶのの撮影現場では当然のように目にする光景ではあるけど、ここは撮影スタジオでもなければ、翔真くんだっているのに……

　さすがにちょっと……と思って翔真くんをチラッと見ると、案の定ってゆーか……

　「ねぇ、俺もアレしてみたい。つか、しよ？」

　なんてさ、とんでもないこと言い出すんだもん。

　僕は慌てて引き寄せた枕でお股を隠した。

　興奮する気持ちは……僕はもちょっぴり分かるけどさ、でも二人がいる前で……なんて、僕恥ずかしいよ……

　「ダメ……かな？」

　いやいや、そんなクリックリな目でお強請りされても、僕困っちゃうよ……