H・I・M・E ーactressー

誠奈

文字の大きさ
上 下
487 / 688
第27章  日常12:僕、さよなら…、だよ

11

しおりを挟む
 なのに松下さんは、僕を責めるわけでもなく、白い歯をキラリンと光らせると、また僕の髪をクシャッと掻き混ぜ……

 「まだまだ時間かかるから、少し寝とけ」

 これまで聞いたこともないくらい、優しい声で言った。

 「でも……」

 そう言われても、人に運転させといて(しかも相手はあの・・松下さんだし……)、自分だけ寝るとかさ、やっぱり出来ないよ。

 なんたって僕はプー太郎のプ~さんだし……

 「いいから寝とけ。……つか、お前さっきから謝ってばっかだな」
 「あ……、すいません……」


 だって仕方ないじゃん?
 実際、迷惑……ってわけじゃなけど、お世話かけちゃってるのは事実だし……


 「俺のことは気にしなくて良いから……」


 気にするなって言われても、やっぱり……ねぇ?


 「俺もお前には済まないことしたと思ってるから……」


 え……?
 松下さんが……僕に?

 何で?


 「翔真のこと……、別に他意があってのことではないにしろ、まさかこんなことになるとは思ってなかったから……」
 「それは……、もう気にしてませんから。それに僕、もう翔真くんのこと、ちゃんと忘れましたから……」


 正確には、忘れる努力をしている最中だけど……


 「お前、それ本気で言ってる?」


 え…….?


 「本気で翔真のこと忘れられんのか?」

 さっきまであんなに優しかった松下さんの口調が、心做しか厳しくなったような気がする。
 僕の気のせいかもだけど……

 「それは……。でも、もう会うこともないだろうし、いつまでも引き摺ってたって、仕方ないじゃないですか……」

 ずっと同じ場所で立ち尽くしているより、ちゃんと前に進みたいから……

 そのためには、翔真くんのことは忘れた方が良いんだ。

 「それに、翔真くんとは何もなかったし……」

 お触りくらいは……お互いにしたけど、それ以上のことはしてないし……

 「何もなかったって……、セックスしてない……ってことか?」
 「ま、まあ……、簡単に言えばそう……ですけど……」


 なんか‥‥、改めてセックスとか言われると、ちょっと照れちゃうんだけど♡
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...