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第25章 scene5:チャペル
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お気に入りのHIMEポーズ(勿論、斗子さんとのツーショットも込み♪)で写真撮影を楽しんでいると、ノックも無しに開けられたドアから、無愛想な無精髭顔がひょっこりと顔を出した。
「時間だぞ。準備は出来たか?」
「ええ、今丁度終わった所よ」
ふふ、斗子さんてば嘘つきなんだ。
だって、二人で写真撮影を楽しんでたとは、一言も言わないんだもん。
多分僕のためでもあるんだろうけど、やっぱり斗子さんて優しい。
なのに一方の鬼軍曹(あえての、ね?)ときたら……
「準備が出来たら監督に顔合わせするから、着いて来い」ってさ……
一言くらい褒めてくれたって良いと思うんだよね、僕の最後の作品なんだしさ。
まあ実際、長井さんみたいな人に「可愛いよ」とか「似合ってるよ」なんて言われても、ちょっぴり怖いけどね?
「HIMEちゃん、足元に気をつけて?」
「はい」
斗子さんに言われて、僕はフワッと広がるスカートを、手袋をはめた手で軽く摘んで裾を軽く持ち上げ、ヒールを履いた足で裾を踏まないように、ゆっくり足を踏み出した……んだけど……
あ、あれ……?
ドレス自体はそんなに重くもないし、靴だって慣れた高さのヒールだから、けっこう気楽に構えてたんだけど、いざ歩き出してみると、思った以上に歩きにくいってゆーか……
裾捌きって言ったら良いの?
案外難しくて……
大股な上に足早な長井さんを追って歩く間、何度も躓きそうになって、その度に斗子さんに助けられながら、漸く今回の撮影場所でもあるチャペルへと足を踏み入れた。
「うわぁ……、凄い……」
「素敵ね……」
「うん、とっても……」
そんなに広くもないし、数列並んだベンチタイプの椅子だってそこまで新しくもないけど、ステンドグラスで飾られた窓から差し込むキラキラとした日差しに照らされて、七色に光っていて……
「すっごく綺麗……」
まるで夢でも見ているかのような光景に、僕は自然と胸が踊るのを感じていた。
「時間だぞ。準備は出来たか?」
「ええ、今丁度終わった所よ」
ふふ、斗子さんてば嘘つきなんだ。
だって、二人で写真撮影を楽しんでたとは、一言も言わないんだもん。
多分僕のためでもあるんだろうけど、やっぱり斗子さんて優しい。
なのに一方の鬼軍曹(あえての、ね?)ときたら……
「準備が出来たら監督に顔合わせするから、着いて来い」ってさ……
一言くらい褒めてくれたって良いと思うんだよね、僕の最後の作品なんだしさ。
まあ実際、長井さんみたいな人に「可愛いよ」とか「似合ってるよ」なんて言われても、ちょっぴり怖いけどね?
「HIMEちゃん、足元に気をつけて?」
「はい」
斗子さんに言われて、僕はフワッと広がるスカートを、手袋をはめた手で軽く摘んで裾を軽く持ち上げ、ヒールを履いた足で裾を踏まないように、ゆっくり足を踏み出した……んだけど……
あ、あれ……?
ドレス自体はそんなに重くもないし、靴だって慣れた高さのヒールだから、けっこう気楽に構えてたんだけど、いざ歩き出してみると、思った以上に歩きにくいってゆーか……
裾捌きって言ったら良いの?
案外難しくて……
大股な上に足早な長井さんを追って歩く間、何度も躓きそうになって、その度に斗子さんに助けられながら、漸く今回の撮影場所でもあるチャペルへと足を踏み入れた。
「うわぁ……、凄い……」
「素敵ね……」
「うん、とっても……」
そんなに広くもないし、数列並んだベンチタイプの椅子だってそこまで新しくもないけど、ステンドグラスで飾られた窓から差し込むキラキラとした日差しに照らされて、七色に光っていて……
「すっごく綺麗……」
まるで夢でも見ているかのような光景に、僕は自然と胸が踊るのを感じていた。
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