H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第23章  scene5:初エステ♡

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 「さ、始めましょうか?」

 結局、全裸……ってわけじゃなく、Tバック状になった紙のパンツだけを身に着けて、病院にあるのと良く似たベッドにうつ伏せになった僕。

 人に身体を触られることは慣れてるけど、エステなんて初めての経験だから、ちょっぴりドキドキしちゃって……

 それが斗子さんにも伝わったのか、僕の背中を撫で始めた手を止め、僕の両肩をムギュっと掴んだ。


 あ、それ……


 「ひゃっ……、駄目っ……、僕そこ弱いの……」
 「あら、そうなの?」

 だって擽ったいんだもん……

 「随分こってるみたいだし……、解しといた方が良いと思うんだけど……」


 そうなんだけど……
 そうかもしんないんだけど、肩だけはどうしても無理っ!


 「仕方ないわね? じゃあ、なるべくリラックスしててね?」
 「はい……」

 僕はうつ伏せになったまま全身の力を抜くと、僕の背中を再び撫で始めた斗子さんの手に身を委ねた。

 「寝ちゃっても大丈夫だからね?」

 僕の背中に何やら液体を垂らし、指と手のひら全体を使って伸ばしながら、斗子さんが耳元で囁くように言うから、一応返事はしてみるけど……

 実は僕……、それどころじゃなくて……

 なんて言ったら良いのかな……、斗子さんの手って本当の女の人じゃないから、やっぱりゴツゴツしてたりするんだけど、なのに柔らかさもあって、暖かくて……

 そんな斗子さんの手に背中を撫でられてると、実際に眠くはなってくるんだけど、それだけじゃない感覚を身体の中心に覚え始めちゃって……

 斗子さんの手が太腿に降りた瞬間……

 「あんっ……」

 僕の口から、熱い吐息と共に、ちょっぴり上ずった声が漏れてしまった。

 当然、超至近距離にいる斗子さんの耳に届かない筈もなくて……

 「え、今の声って……、まさか?」

 僕はうつ伏せたお顔が赤くなるのを感じた。


 だってさ、だってね?
 オイル?のせいもあると思うんだけどさ、斗子さんの手……すっごく気持ち良いんだもん。
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