H･I･M･E ーactressー

第20章 日常８：パーティー……とは？

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　渋々と言った様子でシャワーに向かった桜木くんを見送り、一瞬ホッとする僕。

　でもまだまだ完全に気を抜く訳にはいかない。
　なんたって僕の目の前には、優雅にグラスを傾ける松下さんがいるんだから。

　僕はなるべく松下さんの方を見ないようにして、僕のシャワー中に相原さんが作ってくれた特製野菜ジュースをチビチビと飲んだ。


　でもさ、感じるんだよね。
　たまーに、突き刺すような鋭ーい視線をさ……

　それがもぉ、怖くって。


　僕は桜木くんが戻るのを待たずに寝ちゃいたい気分になった。

　なのにさ、そんな僕の気持ちなんて知らない、ド天然の代名詞みたいな相原さんときたら……

　「そう言えばさ、この間ＨＩＭＥちゃんと共演したって言ってたじゃん？　ＤＶＤっていつ発売なの？」

　なんて言うもんだから、僕の手からグラスが滑り落ちそうになる。

　「ああ、それなら……、来月だったと思うけど？」

　相原さんお質問に答えながら、松下さんが僕の方をジーッと見つめたまｍ、壁に凭たせかけていた背中を起こす。


　ねぇ、もしかしてバレて……る？


　僕は心臓がどうかなっちゃうくらいに緊張していた。

　そしてとうとう僕の不安は見事（？）的中してしまう。

　徐に席を立った松下さんが僕の隣り……、ついさっきまで桜木くんが座っていた場所に移動して、スッと……本当にさりげなーく僕の肩にスッと腕を回した。


　え、ちょっと……？


　どうにか松下さんの腕と視線から逃れようとするけど、思った以上に松下さんの力が強いのと、超ド迫力の眼力からは、どうやっても逃げられそうにない。

　「あ、あの……、えと……」

　ドキマギする僕の隣で、松本さんがクスリと笑い、僕の耳に唇を寄せた。

　「安心しろ、翔真には黙っといてやるから」

　そして大量の息と共に、悪魔のような一言を囁いた。


　ねぇ、これって絶対バレてんじゃん！


　僕は救いを求めるように和人と相原さんを交互に見るけど、二人共苦笑いをするばかりで、相原さんはともかくとして、和人ですら僕と視線を合わせようともしない。


　もぉ……、僕どうしたら良いの？
　困っちゃうよ……