H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第20章  日常8:パーティー……とは?

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 力加減機能がバカになってる相原さんにギューギュー締め付けらたらさ、 息なんてろくに出来なくて……

 「く、苦しい……よぉ……」 

 僕は相原さんの背中をポカスカ叩いて訴えた。

 「ごめんごめん、あんまり可愛いから、ついついね」

 もぉ……、可愛いのは分かってるけどさ、そんな馬鹿力でギューギューされたら、僕ぺっちゃんこになっちゃうじゃん。

 和人も体型は僕と似たようなもんどから、ちょっぴり同情しちゃうよ。

 ところで……
 
 僕は、僕の可愛さにポカンと口を開けたままたの桜木くんと、その横にある見覚えのある顔をチラッと見て、相原さんの耳元に口を寄せた。

 「ねぇ、何で松下さんがいるの?」
 「ん? ああ、たまたま近くにいるって連絡貰ったからさ、だったら家にこないかって……」

 嘘でしょ……?

 そんな話聞いてないし、なんなら僕がシャワー浴びてるほんの数分の間に、何でこんな展開になってんのか、全く意味が分かんない。

 僕はすっかり酔っ払って赤い顔をした和人の手を引き、廊下へと出た。

 「何よ……、痛いじゃん……」

 ヘラヘラ笑いながらも、手が痛いと訴える和人。

 でも僕はそれどころじゃなくて……

 なのにただの酔っ払い男に成り下がった和人は、

 「くくく、何よ……、壁ドンでもしてくれるの?」

 なんて言いながら目を閉じたりするもんだから、僕はガックリと肩を落とすしかなくて……

 でも呆れてばっかもいられない。

 「もお……、そうじゃなくて、僕のこと松下さんには言ってないよね?」

 ちょっぴり真剣な口調で言うと、それまでふざけてばっかいた和人の顔が、一瞬キリッと引き締められた。

 「あのさ、私が智樹の不利になること言うと思う?」
 「それ……は……」

 和人のことは信じてるけどさ、でも酔っ払っちゃったらさ、ついうっかり口を滑らす……ってこともあるじゃん?
 それに和人って、優しいんだか意地悪なんだか分かんないとこあるんだもん。

 「言わないよ? だって、それは智樹の口からちゃんと伝えなきゃいけないことでしょ? だから言わないよ?」

 そう……だよね、和人の言う通りだよね。


 なんか僕……、和を疑っちゃうなんて、ちょっぴり自己嫌悪だよ。
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