H・I・M・E ーactressー

誠奈

文字の大きさ
上 下
308 / 688
第20章  日常8:パーティー……とは?

しおりを挟む
 「え……、今なんて言った?」

 僕の言葉が聞き取れなかったのか、耳をホジホジしながら僕に傾ける桜木くん。
 なんだか凄く間の抜けた顔をしている。

 「だから、僕は誰とも付き合ってないって……」
 「違う、その前……、二木さんが相原さんと、ってやつ……」


 あ、そっち?
 僕はてっきり、僕に恋人がいないことの方が気になったんだとばかり思ったけど、違ったのね?


 「あ、ああ、うん。そうだよね、相原さん?」

 僕は相原さんの肩を叩くと、ミラー越しに視線を合わせた。

 「そうだよ。元々、和人と智樹が友達で、それで……ね?」
 「うん」

 半分本当で、半分嘘なんだ けどね?

 実際、僕と和人は共演したことはあっても、番号を交換するようなお友達になったのはつい最近のことだし、相原さんとは、その前にも共演してるけど、そこまで親しい間柄でもなかったんだから。

 僕のことを智樹って呼ぶのだって、和人がそう呼ぶからだしね?

 だから全くの嘘ではない。

 「なんだ、そうだったんだ?」

 それまで、鬼みたくつり上がっていた桜木くんの目尻が、ビックリするくらい一気に下げられ……

 「それならそうと言ってくれれば良かったのに」

 なんて大笑いしながら僕の肩をバンバン叩いてくるから、いつもは呑気な僕だけど、ちょっとムカついちゃう。

 「もう、大田くんも人が悪いんだから」


 はあ?
 僕はちゃんと言おうとしたのに、勝手に誤解して、勝手にプリプリしてたの、桜木くんの方じゃん?

 そりゃさ、相原さんの言い方がまずかったかもしんないけどさ、僕は何も悪くないもん。


 まあでも、誤解もちゃんと解けたみたいだし、勝手に悪者にされたのは……ちょっぴり不満が残るけど、一応良かったってことにしておこうかな♪

 だって僕、櫻井くんの怒った顔、まるで知らない人見てるみたいで好きじゃないんだもん。

 やっぱり僕は、眉毛も目尻も思いっ切り下げた、ちょっぴり情けない桜木くんの笑顔が好きなの。
 あ、でもめちゃくちゃ格好つけてる桜木くんは、もーっと大好きなんだけどね?♡
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男

湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。 何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

永遠の快楽

桜小路勇人/舘石奈々
BL
万引きをしたのが見つかってしまい脅された「僕」がされた事は・・・・・ ※タイトル変更しました※ 全11話毎日22時に続話更新予定です

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

処理中です...