H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第18章  scene4:露天風呂

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 温泉宿の駐車場に車を停め、前乗りしていたスタッフと合流した僕達は、撮影に必要な機材(って程でもないけど……)を下ろし終えてから、撮影場所として用意された温泉宿の受付へと向かった。

 長井さんや他のスタッフさんがフロントで受付をしている間、僕はロビーに置かれた二人掛けのソファに腰を下ろし、館内をグルっと見回した。

 建物自体はとても古くて、例えるならか 《The旅館》って感じだし、なんならお化けとの出会いも予感させるような感じだけど、随所に漂うレトロな雰囲気は悪くないかも♪

 僕は仲居さんが出してくれたお茶で乾いた喉を潤すと、向かい側の一人掛けソファで何やらカメラのチェックをしている宅ちゃんの肩を叩いた。

 「宅ちゃんも今日お泊まりするの?」
 「うう、俺はしないよ」

 宅ちゃんはそれまでカメラに向けていた視線を僕に向け、電源を落としたカメラを丁寧にケースに仕舞ってから、相変わらずのニッコリ顔で首を横に振った。

 「え、どうして? お泊まりしないの?」
 「俺はここまでの仕事だからね。監督にカメラ渡したら引き上げる予定なんだ」
 「そう……なんだ……」

 僕達キャストやスタッフの何人かは、撮影のスケジュールの都合上、元々お泊まり込のスケジュールが組まれてるけど、宅ちゃんは違うんだ?


 なんか残念だな……
 宅ちゃんとは気が合いそうな気がしてたし、もっと色々お話したかったのにな……


 「それに俺、先月結婚したばったかでさ、その……なんて言うかさ……」

 照れ臭そうに頭をポリッと掻いて、頬を赤くする宅ちゃん。

 別に驚きはしないし、こうゆうお仕事してたって普通に結婚してる人とかいるから、全然意外でもないんだけど、宅ちゃんが…って思うと、ちょっぴり意外かも。

 だって宅ちゃんって、一見すると凄く真面目そうで優しそうだし、いかにも好青年って言葉がピッタリ来そうな感じなのに、カメラ持たせたらけっこうな変態さんだよ?

 僕知ってるもん。

 ノーパンの僕に買い物に行かせるために、わざわざティッシュの箱空っぽにしたのは宅ちゃんだよね?
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