H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第14章  日常5:素顔の僕とお姉ちゃん?

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 「…ったく、分かったでしょ? 雅也に答えなんて求めたって無駄なんだよ」


 うん、それは僕もよーっく分かった。

 ついでに言えば、相原さんて一見知的に見えるし、僕自身こうしてちゃんとお話しをするまでは分からなかったことだけど……

 案外何も考えてない……ってゆーか、考えてはいるんだろうけど、頭で考えるより行動が先なタイプの人っぽい。

 言い換えれば、《思い付きだけで行動しちゃう人》って感じ?


 「あのさ、確かに本人に確認するのも大事だけどさ、まずは様子見る方が良いんじゃない?」
 「どう……やって?」
 「どうやって……って、馬鹿なの?」


 ば、ば、馬鹿って……

 そりゃさ、学校の成績だって、母ちゃんが1ばっか並んだ通信簿持って近所に自慢して歩くくらい悪かったし、バイト先の店長さんとかにも、抜けてるって良く言われるから、自分でも認めてるよ?

でもさ、ちょっと酷くない?


 プウッと目いっぱい膨らました僕の両頬を、いつの間にか僕の手から抜け出してしまった和人の手が、ムギュッと押さえつける。
 当然僕の尖らせた口からは、「ブファッ……」と息が漏れて……

 「ク、ククククク……」

 和人が肩を揺らして笑った。


 もお……、そんなに笑わなくたって良いのに……
 優しいお姉ちゃんだと思ってたけど、前言撤回!

 和人はとっても意地悪だ。


 「あのさ、撮影終わってから、まだその彼とは一度も会ってないんでしょ?」
 「うん……」

 元々、撮影の翌日はバイトも休み入れるようにしてるし……

 「じゃあさ、次に顔会わせた時に分かるんじゃない?」
 「あ……」
 「妙によそよそしかったり、智樹のこと避けるようなら、HIMEの正体が智樹だって気付いてるってことでしょ?」

 そう……だよね?
 だってもし僕が逆の立場なら、画面越しならともかく、目の前でお尻に松下さんの《King》だか《Prince》だかを突っ込まれて、アンアン喘ぎまくって、おまけに息子からは大量のミルク(ナニ・・のことね)噴射して……

 そんな姿見ちゃったら、きっと目を合わせるのも照れちゃうよ……
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