96 / 688
第9章 日常3:彼の部屋
2
しおりを挟む
そのままスマホを手に、暫く画面を見つめてみる。
でも僕が送ったスタンプには、一向に既読の文字が付くことはなくて……
もしかして寝坊とか?
時間に正確な桜木くんのことだから、絶対にありえないとは思いながらも、ありえない想像をしてしまう僕。
でもずっと画面を見ていて、ふと気がついたんだ。
あ……れ……、このスタンプって……
「うっそ~ん……」
僕が送ったスタンプは、HIMEに良く似たキャラクターが、頭から火吹いて怒ってるスタンプで、しかもその横には、《プンプン》っていかにも怒ってる風の文字があって……
「え、ちょ……、これ、どうしよう……」
当然だけど、機械音痴(特に電子機器の類が……)の僕は、頭がパニック状態で、そんな時に限って、真斗が僕を呼びに来るしで、僕は仕方なしにスマホをリュックに放り込むと、タイムカードを押してスタッフルームを出た。
桜木くんに送ったスタンプのことを気にしつつも、軽く挨拶を済ませてレジカウンターに立つと、真斗が血相を変えて俺に駆け寄って来た。
「悪いんだけどさ、対応頼むわ……」
そしてそれだけを言うと、逃げるようにスタッフルームに消えて行った。
僕は何が何だか分からないまま、真斗が指差した方に視線を向けると、そこには小太りの男性客を前に、顔を真っ赤にする新人ちゃんの姿があって……
「もぉ……、僕はクレーム処理班じゃないっつーの……」
一人ごちりながら、僕はその男性客の元へと歩み寄った。
「えっと……、何が問題でもありました?」
男性客と新人ちゃんの間に割って入って、極上の営業用スマイルを浮かべ、小首を傾げて見せる。
「き、君か……」
すると、途端に小太りな男性客の顔が、一瞬にして色が変わった。
そりゃそうだよね、だってこの客、正真正銘ゲイのおっちゃんだもん。
んでもって、多分僕みたいなタイプが好みのね。
でも僕が送ったスタンプには、一向に既読の文字が付くことはなくて……
もしかして寝坊とか?
時間に正確な桜木くんのことだから、絶対にありえないとは思いながらも、ありえない想像をしてしまう僕。
でもずっと画面を見ていて、ふと気がついたんだ。
あ……れ……、このスタンプって……
「うっそ~ん……」
僕が送ったスタンプは、HIMEに良く似たキャラクターが、頭から火吹いて怒ってるスタンプで、しかもその横には、《プンプン》っていかにも怒ってる風の文字があって……
「え、ちょ……、これ、どうしよう……」
当然だけど、機械音痴(特に電子機器の類が……)の僕は、頭がパニック状態で、そんな時に限って、真斗が僕を呼びに来るしで、僕は仕方なしにスマホをリュックに放り込むと、タイムカードを押してスタッフルームを出た。
桜木くんに送ったスタンプのことを気にしつつも、軽く挨拶を済ませてレジカウンターに立つと、真斗が血相を変えて俺に駆け寄って来た。
「悪いんだけどさ、対応頼むわ……」
そしてそれだけを言うと、逃げるようにスタッフルームに消えて行った。
僕は何が何だか分からないまま、真斗が指差した方に視線を向けると、そこには小太りの男性客を前に、顔を真っ赤にする新人ちゃんの姿があって……
「もぉ……、僕はクレーム処理班じゃないっつーの……」
一人ごちりながら、僕はその男性客の元へと歩み寄った。
「えっと……、何が問題でもありました?」
男性客と新人ちゃんの間に割って入って、極上の営業用スマイルを浮かべ、小首を傾げて見せる。
「き、君か……」
すると、途端に小太りな男性客の顔が、一瞬にして色が変わった。
そりゃそうだよね、だってこの客、正真正銘ゲイのおっちゃんだもん。
んでもって、多分僕みたいなタイプが好みのね。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説


寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開



鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる