95 / 688
第9章 日常3:彼の部屋
1
しおりを挟む
その日、僕がバイト先のレンタルショップに行くと、見知らぬ女の子がカウンターに立っていて……
「ねぇ、あの子誰?」
同じくカウンターに立っていたバイトの真斗にこっそり聞くと、真斗は返却された山積みにされた大量のDVDをカゴに入れながら、「新しいバイトの子だってさ」って教えてくれた。
「へぇ、そうなんだ? あ、ところで……」
僕は店内をグルッと見回すと、いつもはある筈の姿を探した。
でもどこにもその姿はない。
確かこの間シフト確認した時には、出勤になってた筈なんだけど……
「桜木くんは? まだ来てないみたいだけど、休み?」
両手にDVDがギッシリ詰まったカゴを下げた真斗に聞くと、真斗は「さあね……」と言ったきり、何千枚とあるDVDが陳列された棚と棚の間に消えてしまった。
僕は首を傾げつつも、スタッフルームに入り、店から支給されたエプロンを身に着けた。
荷物をバイト専用のロッカーに仕舞い、タイムカードを押そう……と思ったけど、それにはまだ時間が早いことに気がついた。僕はせっかくロッカーに仕舞ったリュックからスマホを取り出すと、メッセージアプリを立ち上げた。
「えっと、桜木くんは……、と」
画面に並ぶ名前の中から桜木くんの名前を探し出し、桜木くんとのトーク画面を開く。連絡先を交換してから、まだ一度もメッセージを送っていない画面に、一瞬躊躇してしまうけど、気になるもんは気になる。
僕は意を決して真っ白な画面に、スタンプを一つ送った。桜木くんオススメの、HIMEに良く似たキャラクターのスタンプだ。
ちょっと恥ずかしいけどね?
だって、桜木くんは知らないけど、HIMEは僕なんだから、僕が僕に似たスタンプを送るなんてさ、どう考えても恥ずかしいでしょ。
「ねぇ、あの子誰?」
同じくカウンターに立っていたバイトの真斗にこっそり聞くと、真斗は返却された山積みにされた大量のDVDをカゴに入れながら、「新しいバイトの子だってさ」って教えてくれた。
「へぇ、そうなんだ? あ、ところで……」
僕は店内をグルッと見回すと、いつもはある筈の姿を探した。
でもどこにもその姿はない。
確かこの間シフト確認した時には、出勤になってた筈なんだけど……
「桜木くんは? まだ来てないみたいだけど、休み?」
両手にDVDがギッシリ詰まったカゴを下げた真斗に聞くと、真斗は「さあね……」と言ったきり、何千枚とあるDVDが陳列された棚と棚の間に消えてしまった。
僕は首を傾げつつも、スタッフルームに入り、店から支給されたエプロンを身に着けた。
荷物をバイト専用のロッカーに仕舞い、タイムカードを押そう……と思ったけど、それにはまだ時間が早いことに気がついた。僕はせっかくロッカーに仕舞ったリュックからスマホを取り出すと、メッセージアプリを立ち上げた。
「えっと、桜木くんは……、と」
画面に並ぶ名前の中から桜木くんの名前を探し出し、桜木くんとのトーク画面を開く。連絡先を交換してから、まだ一度もメッセージを送っていない画面に、一瞬躊躇してしまうけど、気になるもんは気になる。
僕は意を決して真っ白な画面に、スタンプを一つ送った。桜木くんオススメの、HIMEに良く似たキャラクターのスタンプだ。
ちょっと恥ずかしいけどね?
だって、桜木くんは知らないけど、HIMEは僕なんだから、僕が僕に似たスタンプを送るなんてさ、どう考えても恥ずかしいでしょ。
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説


寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開



鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる