H・I・M・E ーactressー

誠奈

文字の大きさ
上 下
50 / 688
第6章  scene2:ファッションホテル

しおりを挟む
 散々迷った挙句、僕は淡い水色の下着を着け、その上からズボンを履いた。

 前の部分にフリルがたっぷりあって、腰骨に当たる部分にはトゥルンとした生地の、ちょっと大きめのリボンが飾ってある。


 男の僕が言うのも変だけど……、とっても可愛い♡


 セーターの下にも、当然セットになっていたブラを着けて、その上からダウンを羽織った。


 そろそろ出かけないと、集合時間に間に合わなくなっちゃう。
 僕は背中にリュックを背負い、両手にメイクボックスとウイッグの入ったケースを抱え、アパートを飛び出した。

 まだ夜も開けきってないからか、空気が冷たい。
 息をする度に吐き出される息も、フワッと白い……ってゆーか、下着選びに時間かけ過ぎて、歯磨きするの忘れたけど、流石に昨日の晩カレー食べてるし、歯磨きしないわけにはいかないよね……


 仕方ない、おにぎり買うついでにコンビニのトイレで歯磨きしよっと。


 僕は急に重くなった足を引き摺るように、集合場所でもあるコンビニに向かった。
 幸い……なのか、それとも僕がアパートを出るのが遅かったのか、コンビニの前にはもうワゴン車が停まっていて、僕は長井さんに一言断りを入れてから、手に持っていた荷物を後部座席に置いて、コンビニへと駆け込んだ。
 勿論、手には財布と一緒に歯磨きセットをしっかり持って。



 「お待たせしました……」

 僕が戻るのを待っていたかのように開いたスライドドアから車に乗り込み、早速おにぎりの包みを開ける。
 歯磨きしたばっかで……って思うけど、どうせ何回もしなきゃいけないんだから、気にしない。

 「ねぇ、今日の男優さん誰?」

 車が走り出すなり、僕は決まり事のように、助手席に座る長井さんに問いかけた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...