25 / 688
第2章 scene1:教室
21
しおりを挟む
「お待たせしました」
新しい下着の上にバスローブを羽織ってシャワー室を出ると、相原さんがいつの間に着替えたのか、Tシャツにハーフパンツという、なんともラフな格好で廊下で足踏みをしていた。
そっか、ろくに温まることもなくシャワー室から追い出す格好になっちゃったから……
あ、もしかしたらお化けが怖い怖かったからとか?
「ごめんなさい、寒かった……ですよね?」
相原さんに申し訳なくて、僕は汚れた下着とフワモコバスタオルをギュッと抱き締めたまま、頭を下げた。敢えて「怖かったか」と聞かなかったのは、もし本当にお化けに怯えていたとしたら、余計に怖がらせてしまうことになるかも知れないと思ったから。
「あ、ああ、全然気にしなくて大丈夫だから……」
「でも……」
僕のせいで相原さんが風邪でも引いたら……
「それよりHIMEちゃんの方こそ、この後スチール撮影があるんだよね?」
あ、そうだった!
すっかり忘れてたけど、この後屋上でパッケージ用のスチール撮影があるんだった!
「大変、急いでメイク直さないと……」
メイクだけじゃない、着替えもスチール用の衣装に着替えなきゃいけないんだった。
「あの僕……」
「うん、先行って?
「でも一人で大丈夫ですか?」
「ま、まあ……、俺は今日はこれでもう上がりだし、大丈夫」
そう言った相原さんの顔は、ほんのちょっぴりだけど強張ってるようにも見えるけど、相原さんが大丈夫って言うなら本当に大丈夫なんだろうな。
「あ、あの、お疲れさまでした」
「HIMEちゃんこそお疲れ様。あ、今度連絡しても良いかな? 仕事抜きで飯でも行こう」
小指と親指を立てて、電話をかける仕草をする相原さん。それが妙におかしく見えるのは何故だろうね?
「はい、勿論です。あ、でも……」
「分かってるよ、セックスは抜きで……でしょ?」
相原さんが両目をバチンとばかりに伏せる。
ねぇ、それってもしかしてウィンクのつもり?
全然出来てないけど?
「じゃあ僕……」
「うん、頑張って」
「はい♪」
僕は相原さんに再度深々と頭を下げると、スリッパ履きの足で階段を駆け上がった。途中、下の方で盛大なくしゃみをするのが聞こえたような気がしたけど、気にはしてられない。
僕は駆け足で階段を昇りきると、僕専用の控え室にと用意された教室に駆け込んだ。
新しい下着の上にバスローブを羽織ってシャワー室を出ると、相原さんがいつの間に着替えたのか、Tシャツにハーフパンツという、なんともラフな格好で廊下で足踏みをしていた。
そっか、ろくに温まることもなくシャワー室から追い出す格好になっちゃったから……
あ、もしかしたらお化けが怖い怖かったからとか?
「ごめんなさい、寒かった……ですよね?」
相原さんに申し訳なくて、僕は汚れた下着とフワモコバスタオルをギュッと抱き締めたまま、頭を下げた。敢えて「怖かったか」と聞かなかったのは、もし本当にお化けに怯えていたとしたら、余計に怖がらせてしまうことになるかも知れないと思ったから。
「あ、ああ、全然気にしなくて大丈夫だから……」
「でも……」
僕のせいで相原さんが風邪でも引いたら……
「それよりHIMEちゃんの方こそ、この後スチール撮影があるんだよね?」
あ、そうだった!
すっかり忘れてたけど、この後屋上でパッケージ用のスチール撮影があるんだった!
「大変、急いでメイク直さないと……」
メイクだけじゃない、着替えもスチール用の衣装に着替えなきゃいけないんだった。
「あの僕……」
「うん、先行って?
「でも一人で大丈夫ですか?」
「ま、まあ……、俺は今日はこれでもう上がりだし、大丈夫」
そう言った相原さんの顔は、ほんのちょっぴりだけど強張ってるようにも見えるけど、相原さんが大丈夫って言うなら本当に大丈夫なんだろうな。
「あ、あの、お疲れさまでした」
「HIMEちゃんこそお疲れ様。あ、今度連絡しても良いかな? 仕事抜きで飯でも行こう」
小指と親指を立てて、電話をかける仕草をする相原さん。それが妙におかしく見えるのは何故だろうね?
「はい、勿論です。あ、でも……」
「分かってるよ、セックスは抜きで……でしょ?」
相原さんが両目をバチンとばかりに伏せる。
ねぇ、それってもしかしてウィンクのつもり?
全然出来てないけど?
「じゃあ僕……」
「うん、頑張って」
「はい♪」
僕は相原さんに再度深々と頭を下げると、スリッパ履きの足で階段を駆け上がった。途中、下の方で盛大なくしゃみをするのが聞こえたような気がしたけど、気にはしてられない。
僕は駆け足で階段を昇りきると、僕専用の控え室にと用意された教室に駆け込んだ。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる