独占欲

誠奈

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「ねぇ、兄様は一体どうしてしまわれたの? ねぇ、松下、教えて?」

 矢継ぎ早にまくしたてる僕の頬を、松下の手が包み込んだ。

「どうか心穏やかに……」


 でも兄様が……


 僕は涙で濡れた顔を、松下の胸に埋めた。

「智樹様、そんなに泣かれては、お身体が冷えてしまいますよ?」

 松下の手が僕の頬を離れ、下へと伸ばされ、下服の紐を解き釦を外すと、開かれた前から僕の中心を握り込んだ。

「あぁっ……、だめ……ぇ……っ!」

 お薬のせいで敏感になっていた僕の中心は、触れられた途端に、松下の手を汚していた。

「お上手ですよ、智樹様。さ、もう少し足をお開き下さい」

 僕は言われるまま、おずおずと足を開く。
 下服は、すっかり膝の辺りまで落ちている。

「これで……いい?」
「勿論でございます」

 僕の中心から溢れた白い液を、松下が丁寧に指で掬い取る。。

「沢山出ましたね?」


 だって、あの日兄様に触れられて以来、ずっと触れてなかったから……
 だから、僕まだ……


「おやおや、出したばかりだというのに、もう?」


 あぁ、どうして僕はこんなにもはしたない身体なんだろう?
 兄様が苦しんでらっしゃるのに、僕は……


 僕は競り腹の底から上がって来る波を堪えることが出来ず、自らの手を中心に伸ばした。
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