111 / 227
第9章 惑乱…
15
しおりを挟む
「しかし驚いたな、まさかお前が子供までこさえてるとは……。恐れ入ったよ」
二木が畳にゴロリと横になり、にやにやと笑いながら俺を見上げる。
僕だって考えたことすらなかったよ。
ただ智子と愛し合いたい……、その思いだけで我武者羅に智子を抱いたんだから…。
その結果、まさか子供が出来るなんて……
考えてもいなかった。
「なあ、さっきの話だけど、真剣に考えてくれないか? 迷惑かけるとか、余計なこと考えずにさ……」
「でも……」
「お前には幸せになって欲しいんだよ、俺達みたいにな」
確かに僕の目から見ても、今の二木君は幸せそのものの状態に映る。
だからこそ、その幸せを壊すような真似だけはしたくない。
「ありがとう。その気持ちだけで嬉しいよ。でももしも……もしも本当にどうしようもなくなったら、その時はもしかしたら……」
君を頼ってしまうかもしれない。
「ああ、遠慮はいらないぜ? それに、俺もお袋もこの界隈で知らない奴はいないからな。いざとなったら……」
二木が徐に起き上がって、両手に唾を吐きかけ、指の関節をいくつか鳴らした。
「くく……、君みたいな友人を持って、僕は幸せだよ」
出来ることなら、暴力沙汰だけは御免だけどね……
二木が畳にゴロリと横になり、にやにやと笑いながら俺を見上げる。
僕だって考えたことすらなかったよ。
ただ智子と愛し合いたい……、その思いだけで我武者羅に智子を抱いたんだから…。
その結果、まさか子供が出来るなんて……
考えてもいなかった。
「なあ、さっきの話だけど、真剣に考えてくれないか? 迷惑かけるとか、余計なこと考えずにさ……」
「でも……」
「お前には幸せになって欲しいんだよ、俺達みたいにな」
確かに僕の目から見ても、今の二木君は幸せそのものの状態に映る。
だからこそ、その幸せを壊すような真似だけはしたくない。
「ありがとう。その気持ちだけで嬉しいよ。でももしも……もしも本当にどうしようもなくなったら、その時はもしかしたら……」
君を頼ってしまうかもしれない。
「ああ、遠慮はいらないぜ? それに、俺もお袋もこの界隈で知らない奴はいないからな。いざとなったら……」
二木が徐に起き上がって、両手に唾を吐きかけ、指の関節をいくつか鳴らした。
「くく……、君みたいな友人を持って、僕は幸せだよ」
出来ることなら、暴力沙汰だけは御免だけどね……
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。
謀略で婚約破棄された妹が、借金返済のために腐れ外道子爵公子を婿に迎えなければいけない?兄として見過ごせるか!
克全
ファンタジー
ガルシア男爵家は家臣領民を助ける為に大きな借金をしていた。国を滅亡させかねないほどの疫病が2度も大流行してしまい、その治療薬や回復薬を買うための財産を全て投げだしただけでなく、親戚や友人知人から借金までしたのだ。だが、その善良さが極悪非道な商人がありのゴンザレス子爵家に付け入るスキを与えてしまった。最初に金に権力によって親戚友人知人に借りていた金を全て肩代わりされてしまった。執拗な取り立てが始まり、可憐な男爵令嬢マリアが借金を理由にロドリゲス伯爵家のフェリペから婚約破棄されてしまう。それだけではなく、フェリペに新しい婚約者はゴンザレス子爵家の長女ヴァレリアとなった。さらに借金の棒引きを条件に、ガルシア家の長男ディランを追放して可憐な美貌の妹マリアに三男を婿入りさせて、男爵家を乗っ取ろうとまでしたのだ。何とか1年の猶予を手に入れたディランは、冒険者となって借金の返済を目指すと同時に、ゴンザレス子爵家とロドリゲス伯爵家への復讐を誓うのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる