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第25章 End of Sorrow
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雅也の見開かれた目が、物言いたげに揺れる。
どうして和人が……、恐らくはそう言いたかったんだろうが、でも上手く言葉にすることが出来ないのか、何かを言いかけては飲み込んでを、何度も繰り返した。
それもそうだろう、雅也の中では、和人との関係は既に終わった物だとされていたんだから。
実際、俺もそう思っていた。
和人から番号を書いた紙切れを渡される時まではね。
「電話してやれ」
「でも和人はあの佐藤って人と……」
雅也の言いたいことは分かる。和人と佐藤の関係が気になっているんだろう。
現に佐藤は和人を離したくないと、ハッキリと俺に言ったし、和人も佐藤の元を離れるつもりはないと言った。だから俺もてっきり二人の間には、切っても切れない関係、つまり恋愛関係があるもんだと思っていた。
でも実際はそうじゃなかった。
「あの二人はお前が思ってるような関係じゃねぇから安心しろ」
和人と佐藤の間にあるのは、父子の関係にも似た感情だけで、それ以外の感情はあの二人にはないし、当然肉体関係だって存在しない。
「ほんと……に?」
チッ、コイツまだ疑ってやがる……
まあ、その気持ちは分からんでもないがな。
「あのなぁ、俺の言うこと信じらんねぇのか?」
「信じるよ? 信じてるけどさ。でもやっぱり不安になるじゃん、その……一緒に暮らしてるってなったらさ……」
成り行きとは言え、元々は男娼と客であったことは、紛れもない事実。
その二人が一緒に暮らすとなれば、いくら二人の間に恋愛感情は存在しないと言ったところで、疑いたくなるのも分かる。
少なくとも智樹は、理由はどうあれずっと佐藤との関係を続けていたし……
でも和人は……
「信じてやれ、和人のこと。アイツ、あの性格だから、あんまり自分の気持ち言わねぇけど、心ん中じゃずっとお前のこと思ってたんじゃねぇか?」
じゃなかったら、わざわざ俺に電話番号託したりはしない筈だし……
「今すぐじゃなくていいから、お前の気が向いた時でいいからさ、かけてやれ。アイツ喜ぶぜ?」
「分かった。じゃあ、一応コレ預かっとくね?」
雅也が紙切れを財布に仕舞う。
やれやれ、どいつもこいつも世話の焼ける奴らだぜ。
どうして和人が……、恐らくはそう言いたかったんだろうが、でも上手く言葉にすることが出来ないのか、何かを言いかけては飲み込んでを、何度も繰り返した。
それもそうだろう、雅也の中では、和人との関係は既に終わった物だとされていたんだから。
実際、俺もそう思っていた。
和人から番号を書いた紙切れを渡される時まではね。
「電話してやれ」
「でも和人はあの佐藤って人と……」
雅也の言いたいことは分かる。和人と佐藤の関係が気になっているんだろう。
現に佐藤は和人を離したくないと、ハッキリと俺に言ったし、和人も佐藤の元を離れるつもりはないと言った。だから俺もてっきり二人の間には、切っても切れない関係、つまり恋愛関係があるもんだと思っていた。
でも実際はそうじゃなかった。
「あの二人はお前が思ってるような関係じゃねぇから安心しろ」
和人と佐藤の間にあるのは、父子の関係にも似た感情だけで、それ以外の感情はあの二人にはないし、当然肉体関係だって存在しない。
「ほんと……に?」
チッ、コイツまだ疑ってやがる……
まあ、その気持ちは分からんでもないがな。
「あのなぁ、俺の言うこと信じらんねぇのか?」
「信じるよ? 信じてるけどさ。でもやっぱり不安になるじゃん、その……一緒に暮らしてるってなったらさ……」
成り行きとは言え、元々は男娼と客であったことは、紛れもない事実。
その二人が一緒に暮らすとなれば、いくら二人の間に恋愛感情は存在しないと言ったところで、疑いたくなるのも分かる。
少なくとも智樹は、理由はどうあれずっと佐藤との関係を続けていたし……
でも和人は……
「信じてやれ、和人のこと。アイツ、あの性格だから、あんまり自分の気持ち言わねぇけど、心ん中じゃずっとお前のこと思ってたんじゃねぇか?」
じゃなかったら、わざわざ俺に電話番号託したりはしない筈だし……
「今すぐじゃなくていいから、お前の気が向いた時でいいからさ、かけてやれ。アイツ喜ぶぜ?」
「分かった。じゃあ、一応コレ預かっとくね?」
雅也が紙切れを財布に仕舞う。
やれやれ、どいつもこいつも世話の焼ける奴らだぜ。
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