S/T/R/I/P/P/E/R ー踊り子ー

誠奈

文字の大きさ
上 下
213 / 369
第18章   Emotion 

しおりを挟む
 「へぇ、智樹料理なんてするんだね?」

 部屋に入るなり、ダイニングテーブルの上に並べた料理に目を向けた潤一は、皿の上から肉を一切れ指で摘むと、それを一口で頬張った。


 それ、和人の分なのに……


 「美味いじゃん。今度俺にも作ってよ?」
 「あ、うん。良いけど、お前の口に合うかどうか……」

 贅沢を知っている奴には、俺が作った残り物野菜を掻き集めただけの料理なんて、きっと生ゴミ程度にしか写ってないんだろな。

 「あ、そう言えば酷い目に合ったんだって? 光司が心配してたよ?」


 光司って……ああ、あの運転手の男か……。
 アイツ、余計なことを。


 「大したことねぇよ。半日寝たら大分楽になったし」
 「ふーん、じゃあ見せてよ」
 「見せるって、何を?」

 聞かなくって、潤一の考えてることくらい、俺にだって分かる。でも、この薄い壁の向こうには和人がいる。
 だからこそはぐらかそうとしたのに……

 「決まってるでしょ? 全部脱いでよ。それとも、隣にお友達がいるから嫌?」

 俺の考えなんてまるで見通したように俺の手首を掴み、そのまま寝室へと続くドアに押し付けられた。

 「分かってんなら、やめろよ」
 「嫌だね。自分で脱げないなら、手伝って上げる」

 両手を一纏めにドアに押し付けられ、潤一の膝が俺の両足を割り開く。頬を撫でていた手は首筋を通り、薄いTシャツの上から胸の敏感な部分を探り当てる。

 「やめろ……って」
 「やめないよ? 言うことを聞かない悪い子にはお仕置きが必要でしょ?」
 「あっ……」

 Tシャツの上から胸の先を捻られ、思わず漏れた声に潤一がニヤリと笑う。

 「いいの? あんまり大きな声出すと、お友達に声聞かれちゃうよ?」
 「くっ……」

 耳のすぐ近くで囁かれる声が、俺の最後の砦、理性までもをぶっ壊した。

 「わ、分かったから、脱ぐから、もうやめてく……れ」
 「くく、最初っからそうすればいいのに。素直じゃないね、智樹は」

 手首に巻き付いていた指が解かれ、支えを無くした俺は、ズルズルとその場に崩れた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

少年探偵は恥部を徹底的に調べあげられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

処理中です...