S/T/R/I/P/P/E/R ー踊り子ー

誠奈

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第11章   First contact

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  翌日から、潤一が学校に来ることはなかった。
 当然公園にも姿を現すことはなく、メールを送ればも既読は付くものの、ただの一度だって返事が返って来ることはなかった。

 ひょっとして雨に濡れたせいで風邪でも引いたんじゃないかとも思った。テストも近いことだし、大事をとって休んでるだけだって。
 でもテスト期間になっても潤が学校に来ることは無かった。


 何かあったんだろうか……


 心配になった俺は、潤一と同じ出身中学の奴を探し出して潤一の住所を聞き出し、テスト最終日の午後、授業がないのを利用して潤一の家を尋ねることにした。



 潤一の家は、俺達がダンスの練習に汗を流していた、あの公園からもそう遠くない距離に位置していて、俺の家からでも自転車で数分の、閑静な住宅街にあった。

 洒落たデザインの門の前に自転車を停め、インターホンに手を伸ばした。
 でも中々その小さなボタンを押すことが出来ず、息を吸って手を伸ばしては、また息を吸っては手を伸ばしを繰り返し……
 それでも結局ボタンを押すことが出来ず、まるで地面に貼り付いてしまったかのように動けない足元を見下ろしたまま、俺は門の前に立ち尽くしてしまった。


 潤一に会って一体何を言うつもりなんだろう。
 言い訳? ……いや違うな、じゃあ一体何を?

 そもそも俺が尋ねて来て、潤一は歓迎してくれるんだろうか……


 あんな別れ方をしたんだ、門前払いされる可能性だって無いわけじゃない。


 だめだ、やっぱり帰ろう。
 大体、俺の顔なんて見たくもないだろうし……


 そんなことをウジウジと考えあぐねていると、門の向こうに見えるアルミ製のドアがカチャンと音を立てて開いた。

 「あ……」
 「えっ……?」

 開いたドアから顔を出した潤一は、門の隙間に俺の姿を見つけると、一瞬驚いたように声を上げて、目を見開いた。

 「なんでいんの?」
 「な、なんでって……、学校来ねぇし……、その……心配だったから……」

 久しぶりの潤一との会話は、それまで感じたことがないくらい、とてもぎこちないものだった。
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