28 / 369
第4章 Asymmetrical
3
しおりを挟む
楽屋から降りた俺達を、翔真はステージ脇の薄暗い通路の壁に背中を預け出迎えた。
「行ってこい」
いつもと変わらない、俺をステージへと送り出す言葉。でも心做しか笑いを含んでいるせいか、いつもと違って聞こえる。
「なあ……、俺、変じゃない?」
俺自身がこの出立ちに戸惑っているんだ、もしかしたら翔真だって……
「全然? 寧ろ可愛すぎて、今すぐにでも食っちまいたい気分だ」
そう言って、同じくショッキングピンクでフワフワした裾の下、Tバックの上から俺の中心を撫で上げた。
和人が見てるってのに……
「ばか……、食いたきゃ後でいくらでも食わせてやるって」
「くく、じゃ楽しみは後に残しておくとするか」
「ああ、そうしろ。それより、キス、してくれよ……」
俺は翔真の肩に両腕をかけ、濃いアイメイクで飾られた瞼を閉じた。
高いヒールを履いてるせいか、翔真と俺との間に身長差は殆どないのに顎を持ち上げ、噛み付くようなキスをしてくる翔真。
キス一つがこの調子じゃ明日腰が立つか心配だな……
「もう、二人ともいい加減にしてくれないかなぁ? ここに寂しい独り身がいるってこと、忘れてんじゃない?」
深いキスに腰が砕ける寸前のところを、和人の毒を含んだ苦情が引き止める。
「ほら、いい加減にしろってさ。つか、こんなトコでマジでガッツいてんじゃねぇよ」
俺は翔真の胸を押し、腕の中から摺り抜けると、親指の腹で翔真の唇に付いたピンクを乱暴に拭き取った。
翔真には悪いが、正直助かった。
このまま続けられたら、俺の方がその気になっちまう……
「くくく、悪かったな、和人。よし、行ってこい!」
意味あり気な笑みを浮かべ、翔真が俺と和人の背中を押す。
「いくよ?」
「お、おう……」
俺達は互いに顔を見合わせると、両手をしっかり繋いでスポットライトの下へと躍り出た。
「行ってこい」
いつもと変わらない、俺をステージへと送り出す言葉。でも心做しか笑いを含んでいるせいか、いつもと違って聞こえる。
「なあ……、俺、変じゃない?」
俺自身がこの出立ちに戸惑っているんだ、もしかしたら翔真だって……
「全然? 寧ろ可愛すぎて、今すぐにでも食っちまいたい気分だ」
そう言って、同じくショッキングピンクでフワフワした裾の下、Tバックの上から俺の中心を撫で上げた。
和人が見てるってのに……
「ばか……、食いたきゃ後でいくらでも食わせてやるって」
「くく、じゃ楽しみは後に残しておくとするか」
「ああ、そうしろ。それより、キス、してくれよ……」
俺は翔真の肩に両腕をかけ、濃いアイメイクで飾られた瞼を閉じた。
高いヒールを履いてるせいか、翔真と俺との間に身長差は殆どないのに顎を持ち上げ、噛み付くようなキスをしてくる翔真。
キス一つがこの調子じゃ明日腰が立つか心配だな……
「もう、二人ともいい加減にしてくれないかなぁ? ここに寂しい独り身がいるってこと、忘れてんじゃない?」
深いキスに腰が砕ける寸前のところを、和人の毒を含んだ苦情が引き止める。
「ほら、いい加減にしろってさ。つか、こんなトコでマジでガッツいてんじゃねぇよ」
俺は翔真の胸を押し、腕の中から摺り抜けると、親指の腹で翔真の唇に付いたピンクを乱暴に拭き取った。
翔真には悪いが、正直助かった。
このまま続けられたら、俺の方がその気になっちまう……
「くくく、悪かったな、和人。よし、行ってこい!」
意味あり気な笑みを浮かべ、翔真が俺と和人の背中を押す。
「いくよ?」
「お、おう……」
俺達は互いに顔を見合わせると、両手をしっかり繋いでスポットライトの下へと躍り出た。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説



寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開


男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる