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第十話 襲撃
しおりを挟む門の前には城内兵が数人、険しい顔で話していて、宏隆は車の窓を開けて声をかける。
「何か、あったのか」
「あ、ヒューストン中尉。おかえりなさい、お勤めご苦労さまです」
話し込んでいた数人のうちの二人は、いつも出入りをチェックしてくれる門番だった。申し訳なさそうに眉をハの字にし、門番がかぶる房付きの帽子を外して、いつものように宏隆に挨拶をする。
ヒューストンの名に、門番でない者も車に駆け寄り、背筋を伸ばして騎士として完璧な挨拶してくる。
突然の事に、全員途方に暮れているようだった。宏隆に声をかけられた門番二人が、悲痛そうに答えはじめる。
「敵襲です」
「今から一時間ほど前、ヒューストン中将とその奥方が、何者かに襲われました」
「叔父貴が!無事なのか?」
人事だった騒ぎが、途端に現実味を帯びる。身内ならば尚更で、宏隆は窓から身を乗り出し、集まってきた城内兵に詰め寄る。
焦燥を露わにする宏隆に、城内兵は慌てて首を振って、次々に口を開いた。
「大丈夫、ヒューストン中将も奥方もご無事です」
「奥方は襲われた際に驚いて、少し足を捻ってしまいましたが、賊は中将と近くにいた兵によって、即座に追い払われました」
「幸い、直ぐに冷やしましたので、奥方の捻挫も酷くはならないでしょう」
足を捻ったと聞いて再び肝を冷やしたが、軽傷なようで安堵する。軽傷でも足を怪我したのは心配だが、今は無事なことにほっとしたい。
「申し訳ありません。門は開けることが出来ませんので、車は近くの公園に駐車場を設けております。暫く、そちらに停めていただけませんか」
「あ、ああ、わかった……」
「おい」
安堵してただ頷くだけになっていた宏隆に変わり、後部座席の窓を開けて、白禄が会話に割って入る。
突然出てきた宮廷魔術師長に、その場にいた全員が一斉にびしりと背筋を伸ばし、先程と同じように城に努める騎士らしく、胸を張った。
白禄は、あからさまに音をたてて、短く舌打ちを打つ。
「緊急事態だ、今は行儀良くすることより、先にやることがあるだろう。おい、逃げた賊はどうした。ヒューストン中将が奥方と一緒にいた、と言うのは帰還して王と謁見したからだろ。一時間前なら、ディナーかなんかか。少なくとも王城の、下手したら王宮のほぼ中心にいた筈だ。そんなとこまで、どんな経路を通って侵入したのかは後に置いといて、勿論捕らえたんだよな?」
「そ、それが……」
城内兵がそう口ごもった途端、予想していたのだろう、白禄は乗り出していた身を乱暴に座席に埋めながら、再び舌打ちをした。
口ごもったのと別の城内兵が、説明を続ける。
「目撃者によると、塀まで賊を追いつめ、いざ捕らえようとしたときに、賊は魔法を使って目くらましをし、それに乗じて塀を越えた、というんです」
塀を越えた!何やら考え込んでいる白禄の代わりに、宏隆がそれに反応を返した。城を守る塀は数十メートルほどあり、人が越えられるものではない。
「飛んだのか」
「魔法で、ではありません。とんとんと塀の僅かな凹凸を利用してジャンプして行き、そのまま消えたそうです」
賊を捕まえたのなら、こんなに仰々しく厳戒態勢を続ける必要はない。続いているということは、賊を逃がしたと言うことで、賊が逃げているということは、再び殺しに来る可能性があると言うことだ。
白禄に襲いかかってくるような、直ぐに命乞いをし地面に額をこすりつけるようなのではなく、王宮にまで忍びこんでそこから高い塀を登って逃げる、明らかに特別な襲撃者がだ。
眉間に深い皺を作って黙っていた白禄は、開けていた車の窓を素早く閉め、ドアを開け車から降りた。一番近くにいた城内兵の肩を軽く叩き、顎だけを動かし宏隆を指した。
「運転、代われ。お前が駐車場に、これを停めてこい」
「は……?」
「宏隆、輝夜。降りろ」
白禄の声は、上に立つもののそれで、窓を閉めて宏隆は言われるがままに車から降り、輝夜も降りた。
車の鍵はささったままで、後で届けろ、とこれも短く城内兵に指示する。白禄に肩を叩かれた城内兵は首を傾げつつ、車に乗り込み走り出す。
走り出した車を見送ることも無く、白禄は門の横にある、人が出入り出来る程度のドアへと歩き出した。城内兵が一人、慌てて鍵を開け一行を通す為にドアも開ける。
「早く城内に入るぞ。あとお前ら、俺がこのまま案内すっから、暫く使用人寮に入れ。部屋は余ってる筈だ。荷物は後から執事でもメイドでもいいから、届けさせろ。俺も暫く、家じゃないところで寝泊まりする。そこの兵士ども、どいつでもいいから、宏隆は家には帰らないってことと荷物を持ってこい、ってことをヒューストン家の人間に伝えろ」
「びゃ、白禄?何を、そんなに」
白禄はつかつかと速足で、王城の中に入っていった。鋭く指示し続ける白禄に、宏隆は戸惑いつつも付いていき、言われるがままに寮への道を歩く。輝夜は絵本を抱えたまま、黙って宏隆の後ろを付いていく。
白禄は歩を止めず、答えた。
「中将は誰もが憧れる国の英雄だ。英雄が襲われたってことは、これは権力が欲しい馬鹿の仕業じゃなく、前王崇拝者の仕業と見ていい。居候の宏隆が襲われるかどうかはっきり言えねーけど、中将と一緒にいればどうしたって何かに巻き込まれる確率が上がる。中将もそれをわかって、さっさと屋敷を空にしているだろうよ。特別居住区画は塀に近い。区画に住んでいる奴ら全員に、同じような伝令が回っている筈だ。あそこは、英雄だらけだからな」
その通りだ。城の隅には、ヒューストン中将をはじめ、王都に残った英雄と要人の十にも満たない家族が、国の為に住んでいる。
前王を慕い、崇拝していた者ならば、ただただ憎い塊だろう。宏隆は、じわじわと理解し始めて、ぞっとする。
塀の近くにあるのだから、塀を越える化け物ならば余裕で降り立ち、家の中でくつろぐ人々を襲うだろう。見回りの城内兵は、永遠とそこにいるわけではないし、執事やメイドが返り討ちに出来る筈がない。
ふと、宏隆はある予感に、こめかみにじわりと嫌な汗をかいた。俯くと、思ったより出ていたのか、一筋頬を伝う。
「……輝夜。リーダーについてなんだが」
「リーダー、ですか」
「ああ、君達が任務を行う際、罠を外す高等魔法を使うリーダーだ。さっき聞いていたときは、戦闘人形とは別の人員を、想像したんだが……」
隣を歩く輝夜を見る。金色の瞳は、宏隆が言うことを待っていた。
「……リーダーも、戦闘人形なのか」
輝夜はしっかりと頷いた。
「はい。私のような一般部隊とは別に、王への忠誠心、つまり術の浸透度によってリーダーが選ばれ、十番ずつキリのいい番号が渡されます。その番号達はリーダーと呼ばれ、一個部隊十人の指揮を執り、魔法を使うことが許されています」
嫌な予感が、当たってしまった。宏隆は目眩を覚えて立ち止まりそうになるのを、ぐっと堪えて何とか歩き続けた。
這い寄ってくるのは、終わった筈の戦争の気配だ。宏隆は、初めて人を殺した日を、今でも鮮明に覚えている。
それからの日々は、戦場の匂いや音に麻痺したり必死であったり、強烈な日々で記憶もとびとびだ。気付いたら堀の中で死体に混ざって寝ていた、なんてこともあった。
人を殺した日と同じくらい、最後に人を殺さなくていいのだと、土と血と煤にまみれて空を見上げ銃を地面に落とした日のことは、手のひらの痺れまで覚えている。
「宏隆ぁ、テメー資料全部読んでねえな?」
ずぶずぶと沈みそうになっていた思考が、白禄の茶化す声色に目を覚ます。はっと見れば白禄は歩くスピードを緩め、にまついた顔で宏隆の隣に並んで歩いていた。
「……えっと、あの封筒に入ってたやつか」
「そうだ。あの封筒に入ってた、きったねーやつだよ。無事なやつを弐百参号用にまとめんの、大変だったんだからな」
「白禄・ウィリアムズ魔術師長。私は宏隆・ヒューストン中尉に、輝夜・アレンバーグと命名されました。弐百参号は製造番号です。私のことは輝夜とお呼びください」
「あーはいはい」
意識が、現実に戻っていく。宏隆は、復帰出来なくなるほど、フラッシュバックに悩まされたことはない。銃は握れるし、似た音に怯えて叫ぶこともなく、周囲の人を敵と勘違いし、狂ったように暴れたりもしない。
でも、飛び起きることや、今のようにあの日に沈むことはある。そこから浮上する感覚は、朝日が射し込む窓に似ていた。ぱあと世界に色が付くのだ。戦争は終わったと、呼吸が出来るようになるのだ。
輝夜の瞳と白禄の髪の黄金色が目を突いて、少し、まばたきをする。白禄の声は、戦争とはかけ離れていた。
「リーダーに気付いたのはいいけどよ、魔法についてもリーダーについても、軽く触れてんぞ。渡されたんなら、ちゃんと読めよ。弐百参号だけじゃなく戦闘人形について、それなりに書いてあんだからよ」
「いや、最初の三枚は読んだんだが、汚れている方は専門用語が多くて、どうも進まなくてな。どうしよう、今は書斎の机の引き出しの中だ」
「白禄・ウィリアムズ魔術師長。私は宏隆・ヒューストン中尉に、輝夜・アレンバーグと命名されました。弐百参号は製造番号です。私のことは輝夜と……」
「ぁあーもううっせーな、輝夜・アレンバーグ!これでいいか!おらっ、早く寮に行くぞ。とっとと歩け。資料はあとで届けさせるから、わけわかんねー単語は読み飛ばして、取り敢えず目を通せ。あんなもん、ざっとでいいんだから、絶対に読めよ」
「わ、わかった」
言いたいことを言って、白禄はまた歩くスピードを上げた。宏隆は少しだけ読んだ文章を思い出しつつ、曖昧な返事をしておく。もうあの黒も赤も、脳の隅へ追いやられていた。
明らかに読むことに自信がなさそうな返事をした宏隆をおかしそうに鼻で笑い、白禄は前を向いて歩き続ける。
寮も塀にそこそこ近いが、寝泊まりしているのは要人でも貴族でもない人間ばかりなので、訪れる理由はない。住んでいる人も多く、いつの時間も二人以上が行き来しているので暗殺には向かない。
襲撃されたときより、月が僅かながら、地平の方へ傾いている。そうか、俺は前王を憎むやつだけじゃなくて、前王を崇拝するやつにも裏切り者として殺す対象になるのか。白禄はぼんやりととっくに気付いていたことを思い、決してその思いを口にはせず、もう宏隆に並ぶこともなく、真っ直ぐと寮まで歩き続けた。
寮がある棟へ入る前に、ヒューストン中将が今、何処に避難しているのか、調べさせるなり聞きだすなりする為、丁度棟に入ろうとしていた城内兵に話しかけた。息を切らした城内兵は、白禄達を見て焦燥からぱあと顔を輝かせた。
「よかった、白禄・ウィリアム魔術師長、宏隆・ヒューストン中尉。探しておりました」
「お、ってことはもしかして、お前はヒューストン中将がよこしたやつか」
「はい、ヒューストン中将の警護を任されました、信治郎・フレイザーです」
信治郎ははっきり返事をし、そのままはきはきと喋りだした。彼もまた、城を守る兵らしく、礼儀正しく逞しい。
「ヒューストン中将は、現在奥方とともに、王宮の客間にいらっしゃいます。宏隆中尉のことは、先程門番がヒューストン中将に伝えて下さいました。宏隆中尉には、こちらは心配無用だ、という言伝を預かっております」
何ともヒューストン中将らしい、短く剛毅な言伝だ。それだけで元気なことが伝わって、宏隆は改めてほっと胸をなでおろす。王宮内なら、これほど安全な場所はないだろう。この国で一番、警備を強化出来るところで、今の時世はそれが実現出来る。
白禄が、片眉を僅かに上げた。
「には、って、俺にも何かあんのか」
「はい、その通りです。白禄・ウィリアムズ魔術師長にも、ヒューストン中将から言伝を預かっております」
「白禄に?」
「……俺にもか」
尋ねながら白禄は、何を言われるか、薄々気付いていた。
「二百五十。申し訳ありません、言伝はこれのみです」
宏隆が息を飲み、白禄は顔をしかめた。なんのことだかわからない信治郎には、ただの数字にしか聞こえないだろう。たった一つの単語だけ宮廷魔術師長に伝えることに、戸惑いを覚えているようだった。
――……弐百五拾。この場にいるものにとって、それはただの数字ではなく、戦闘人形の製造番号だった。
キリがいい数字、先程それについて会話を交わしたばかりである。
「リーダーです」
考えを後押すように、輝夜が呟いた。
「ありがとう、ご苦労だった。持ち場に戻ってくれ」
「白禄魔術師長。正明王が、白禄魔術師長にも王宮の客間を一つ、用意しているそうです。万が一に備え、そちらに避難をお願いします」
緊迫していた白禄の表情が、苦いものを口にしたこどものように、間抜けに歪む。案内しようとする信治郎に、思いっきり手を振って拒否した。
「ぜってーやだね!」
きっぱりとした拒否に、信治郎だけでなく宏隆もぎょっとした。何故か輝夜も、微かに肩を揺らして驚く。
「王宮なんぞ、お断りだ。ぶっちゃけ魔術師長の服も窮屈でくつろげて着てんのに、犬洗うみてーに洗われて、更にごてごてびかびか着飾られて、緊急事態のくせにお食事会にお茶会、酷けりゃお見合いだろ。そんなとこより、俺はもーっと安全なところで寝泊まりすっから、安心して下さいませーつっといてくれ」
そう言い捨てて、さっさと棟に入ろうとしたのを止めたのは、輝夜だった。驚く白禄にふるりと首を振り、その隙に信治郎が棟への入り口を隠すよう、白禄に立ちふさがる。立派な騎士の体は、何者にも負けない扉になる。
白禄達を探していたとき以上の焦燥が、彼の顔に浮かんでいた。必死に両手を広げる。
「い、いけません。それでは、私が叱られます、白禄魔術師長」
「そうだぞ、白禄。他ならぬ王の提案だ」
あまりのことに、宏隆も冷や汗をかいて信治郎の肩を持ち、白禄に王宮に向かうよう背中を押す。先に白禄が言った発言は、あまりのことに誰もが聞かなかったことにした。
王に向かっての発言とは思えない。輝夜ですら止めるその発言、他に誰も聞いてないことを祈る。
「お願いです。今日だけでも構いません、王宮へ顔を出してください」
「白禄。断るならせめて、自分で王宮に行って、自分できちんと断れ。周囲を困らせるんじゃない」
「……独裁政権は、もう駆逐されてんぞ」
「白禄」
焦る信治郎だけでなく、宏隆にまで咎められ説得され、輝夜には腕を掴まれじっと見上げられて、白禄は心底嫌そうな顔で頭をかいて呻く。大げさな溜息をつくと、わかった、と短く観念する。
信治郎の顔が、白禄たちを見付けた時よりほっとしたものになった。宏隆もつられるように安堵し汗を拭って、輝夜も掴んでいた手をほどく。
ただ一人、白禄だけがふてくされ、不機嫌にむすっとしていた。宏隆の掴み引き寄せた。信治郎に背中を向け、宏隆の肩に乱暴に腕を回すと、顔を寄せる。うぐ、と宏隆は短く声を上げた。
「万が一を考えて、未知の生き残りの可能性も考えたが、弐百五拾号は俺が治療していた四人のうちの一人だ。昨日、意識が戻ったばかりで、今は検査中の筈だ」
「……つまり?」
急に引き寄せられ痛む肩に眉をひそめつつ、宏隆は続きを促す。白禄は、信治郎に聞こえないよう、囁くように続きを口にした。
「まだ本調子じゃねえし、もしものことを考えて万全を期していた治療院を、軽々と逃げられる状態じゃあなかった。一応の混乱を避け、前王が死んだこともまだ言ってない……戦闘人形のことを知る誰かが、手引きしているとしか考えられん」
ぱっと白禄は宏隆を解放し、背中をばしんと叩いて、手を振った。早口で深刻なことを囁いた事実などなかったかのように、いつものようにはきはきとした調子で、王宮の方へ足を向け軽口を叩いた。
「んじゃ、そーゆーことで、寮まで行ったら、入口横の小窓をノックすれば、ここ、独身寮の寮監が顔出すだろうから、部屋は適当に見繕って貰え。今回は、俺は俺で中将に挨拶するわ。テメェと呑むのは、またいつか会えたときに。じゃーな、おやすみ」
「ああ……おやすみ」
「おやすみなさいませ。白禄・ウィリアム魔術師長」
言うが否や、白禄はここまで来たときのように、ずかずかと王宮へ歩いて行った。信治郎が一度宏隆に頭を下げてから、慌てて追い掛け、宏隆は息を飲んで二人を見送った。
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