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第一章:第一次侵攻
6/10(火):第一次侵攻開始。
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昇龍クランのメンバーは万全の状態で東京ダンジョンに集まっていた。
だが東京ダンジョンはいつものような人気はなく、源三郎さんが事前に手を回して東京ダンジョン付近には一般人がいないようにしてくれた。
時刻は十一時十九分。残り四十一分で第一次侵攻が始まることになっている。俺が何故ここにいるのかと言えば侵攻の前にクラン全員で集まれないかと愛理に言われたからだ。
俺なら広島まですぐにたどり着くからまだここにいても問題はない。
「いよいよだね……!」
少し緊張の面持ちなLv399の愛理。
「緊張しているのかしら?」
「武者震いだよ!」
そんな愛理に対していつも通りなLv501の輝夜。
「大和、大丈夫?」
「えっ、あー……うーん……僕も団長と一緒に行動したらダメかな?」
「団長の方に戦力を寄せてどうするのよ」
おそらく女性陣ばかりで気分が悪くなっているであろうLv209の天明くんと心配しているLv322の東雲さん。
「こんな堂々と銃の手入れとかしないでくれる?」
「最後の確認でありますから!」
銃の確認をしているLv297の朝日奈さんに他人のフリをしたいLv305の桜さん。
最低レベルでも天明くんのLv209だから大丈夫だとは思うがそれでも油断はできない。
「団長、何かみんなにかける言葉はないのかな?」
愛理がそんなことを言って団員の視線をこちらに向けさせた。まあ面白いから団長らしいことを言ってみるか。
「この第一次侵攻で世界は大きく変わる。これまでは未知の存在だと思われていたダンジョンもこれからは恐怖の存在に変わるだろう。第一次ということは次もあるということだ。残念ながら詳細なことは分からないがこの世界はダンジョン中心の世界になることは確かだ。俺たちはこの歴史の一ページに名を刻むことになる。どうだ、ワクワクするか?」
「しないであります!」
「少しくらいかしら」
「ダンジョンに行くことはワクワクするけど侵攻は別にかな……」
俺はワクワクしているのだが団員たちはそうでもないらしい。
「俺たちがやることはダンジョンに行く時と変わらない、生き残ることだ。いいな?」
「えぇ」
「うん!」
「はい」
「はいであります!」
「ん」
「そう、ですね」
「それじゃあここは俺が来るまで任せたぞ」
「終わらせてもいいのよね?」
「それフラグだろ」
俺はその場から広島ダンジョンに向けて飛行した。
ダンジョン都市以外では飛行を使うことはないがそれでも感覚は忘れずに一直線に広島ダンジョンに向かった。
軽く飛行したのだが一分もかからずに広島ダンジョンがある場所にたどり着いた。上空に滞空してその時が来るのを待つ。
「くはっ……!」
もう楽しくて楽しくて仕方がない。どんなことが起きるのか待ちきれない。
北海道ダンジョンの方はすでに東江家や東江家と関係のある名家や企業が手を回して避難させているみたいだ。
北海道ダンジョンは一番範囲が分からないためどうなってもいいようにしているとか朝の段階で連絡が来た。
この広島ダンジョンも東京ダンジョンと同じように辺りに人はあまり見られない。興味本位で近づいている人がチラホラといるみたいだけど。
まあそれで死んでも自業自得だろうな。
時刻は十一時五十九分。あと一分で第一次侵攻が起こる時間になった。
『学人、そっちは大丈夫?』
『あぁ、こっちは大丈夫だ。どうした?』
『いいえ、話しかけたかっただけよ』
相手を認識できる感知よりも範囲が広い『上位感知』を俺と輝夜はお互いに持っているから念話を使って会話ができる。
『大丈夫だ。俺が助けるから』
念話でも輝夜の不安が少し分かったからそう伝えた。
『えぇ、お願いね』
『そっちは俺が行くまで頼んだぞ』
『私が心配するのもあれだけど、学人も頑張ってね』
『あぁ、ありがとう』
『00:00:10』
いよいよカウントダウンが十秒前になり輝夜との念話も終える。
『00:00:09』
『00:00:08』
『00:00:07』
『00:00:06』
『00:00:05』
『00:00:04』
『00:00:03』
『00:00:02』
『00:00:01』
「ふぅ」
『00:00:00』
カウントダウンがゼロになった瞬間に何かが起こるかと思ったが何も起きない。
「どういうことだ……?」
まさか何か間違っていた? 何か見落としていたのか? だけどあれで間違っているとは考えにくい。
『学人、全人類にステータスを与えられているみたいよ』
『マジか』
つまりそれはダンジョンに入っている判定になっているのか? 誰から聞いたのかは今は置いておこう。
『これは来るわね。ステータスが一種の防衛システムになっているのならここは危険な場所になっていることにッ!』
『どうした!?』
輝夜が変な感じで念話を止めたから何かあったのかと思ったがワンテンポ遅れてどうなっているのかが分かった。
「上から見たらこんな感じなんだな……地震」
滞空しているからワンテンポ遅れてしまったが空からでも分かるほどに建物は揺れている。しかも高層ビルも近くにあったからそれがぐわんぐわんと揺れているのが分かる。
これ震度どれくらいで震源地はどこなのだろうか。古い建物なら崩れているものがある。
これが来てから第一次侵攻が来るとか地獄だろ。知らなければ蹂躙されているところだった。
『輝夜、大丈夫か?』
かなり長い地震を終えてから輝夜に念話で確認をとる。
『私たちは大丈夫。でも揺れで建物がすごいことになっているわ。そっちもでしょう?』
『なってる。これで第一次侵攻が来るんだよな』
『これはもう一段階気合を入れないといけないみたいね』
気合を入れ直しているところで俺の前に文字が出てきた。
『全人類にステータスを付与』
『殺害対象に色付け』
『異世界からの味方アリ』
『第一次侵攻の制限時間ナシ』
『第一次侵攻開始』
開始の文字と共に広島ダンジョンから巨大な気配が突如として出現して地上に向かって飛び出してきた。
「グオオオオオオオオオオオオッ!」
とてつもなく響く重低音がそこら中に鳴り響く鳴き声を発して怪獣映画のように地下から出てきたのは情報通り六十m級の巨大なドラゴンだった。
赤というよりも深紅の方が似合う鱗鎧をしており巨体、翼、爪、牙、そのすべてがあるべき竜の存在を示しているマキシマムレッドドラゴン。
『マキシマムレッドドラゴンLv999』
「はぁ!?」
マキシマムレッドドラゴンのレベルを見て驚いてしまった。
推奨Lvは300以上って書いてただろ! それなのにレベル限界のLv999とかえぐすぎやろ。これでLv300で行けば大変なことになるはず。
感知は気配の大きさで強さが分かるようになっている。これを東雲さんとぶつけても絶対に勝てはしないと断言できる。愛理も分からない。
推奨Lvの基準が一人で勝つということではないのか……? もしかしてその辺にいる人たちの人数と合わせてこのレベルになれば行けますよとか、そういうことか?
面白いけどさ、そういうことは推奨Lvの時と一緒に推奨人数も書いとけよ! 俺は面白いからいいけど輝夜たちが心配だ。
だから先にマキシマムレッドドラゴンを倒そうとした次の瞬間にはマキシマムレッドドラゴンは体から炎を滾らせ、俺を巻き込んで一気に炎を全方向に放出させた。
「うお、火力えぐ」
アビリティもあるし剣王の征鎧もあるからまともに受けても問題はない。俺はな。
だが逃げ惑っている人間はそうではない。
自業自得だし助ける気はないのだが朝日奈さんや天明くんがいれば助けるのだろうな。むっ、よく見ればカメラを持っている。
カメラか……いいね。助けよう。
だが東京ダンジョンはいつものような人気はなく、源三郎さんが事前に手を回して東京ダンジョン付近には一般人がいないようにしてくれた。
時刻は十一時十九分。残り四十一分で第一次侵攻が始まることになっている。俺が何故ここにいるのかと言えば侵攻の前にクラン全員で集まれないかと愛理に言われたからだ。
俺なら広島まですぐにたどり着くからまだここにいても問題はない。
「いよいよだね……!」
少し緊張の面持ちなLv399の愛理。
「緊張しているのかしら?」
「武者震いだよ!」
そんな愛理に対していつも通りなLv501の輝夜。
「大和、大丈夫?」
「えっ、あー……うーん……僕も団長と一緒に行動したらダメかな?」
「団長の方に戦力を寄せてどうするのよ」
おそらく女性陣ばかりで気分が悪くなっているであろうLv209の天明くんと心配しているLv322の東雲さん。
「こんな堂々と銃の手入れとかしないでくれる?」
「最後の確認でありますから!」
銃の確認をしているLv297の朝日奈さんに他人のフリをしたいLv305の桜さん。
最低レベルでも天明くんのLv209だから大丈夫だとは思うがそれでも油断はできない。
「団長、何かみんなにかける言葉はないのかな?」
愛理がそんなことを言って団員の視線をこちらに向けさせた。まあ面白いから団長らしいことを言ってみるか。
「この第一次侵攻で世界は大きく変わる。これまでは未知の存在だと思われていたダンジョンもこれからは恐怖の存在に変わるだろう。第一次ということは次もあるということだ。残念ながら詳細なことは分からないがこの世界はダンジョン中心の世界になることは確かだ。俺たちはこの歴史の一ページに名を刻むことになる。どうだ、ワクワクするか?」
「しないであります!」
「少しくらいかしら」
「ダンジョンに行くことはワクワクするけど侵攻は別にかな……」
俺はワクワクしているのだが団員たちはそうでもないらしい。
「俺たちがやることはダンジョンに行く時と変わらない、生き残ることだ。いいな?」
「えぇ」
「うん!」
「はい」
「はいであります!」
「ん」
「そう、ですね」
「それじゃあここは俺が来るまで任せたぞ」
「終わらせてもいいのよね?」
「それフラグだろ」
俺はその場から広島ダンジョンに向けて飛行した。
ダンジョン都市以外では飛行を使うことはないがそれでも感覚は忘れずに一直線に広島ダンジョンに向かった。
軽く飛行したのだが一分もかからずに広島ダンジョンがある場所にたどり着いた。上空に滞空してその時が来るのを待つ。
「くはっ……!」
もう楽しくて楽しくて仕方がない。どんなことが起きるのか待ちきれない。
北海道ダンジョンの方はすでに東江家や東江家と関係のある名家や企業が手を回して避難させているみたいだ。
北海道ダンジョンは一番範囲が分からないためどうなってもいいようにしているとか朝の段階で連絡が来た。
この広島ダンジョンも東京ダンジョンと同じように辺りに人はあまり見られない。興味本位で近づいている人がチラホラといるみたいだけど。
まあそれで死んでも自業自得だろうな。
時刻は十一時五十九分。あと一分で第一次侵攻が起こる時間になった。
『学人、そっちは大丈夫?』
『あぁ、こっちは大丈夫だ。どうした?』
『いいえ、話しかけたかっただけよ』
相手を認識できる感知よりも範囲が広い『上位感知』を俺と輝夜はお互いに持っているから念話を使って会話ができる。
『大丈夫だ。俺が助けるから』
念話でも輝夜の不安が少し分かったからそう伝えた。
『えぇ、お願いね』
『そっちは俺が行くまで頼んだぞ』
『私が心配するのもあれだけど、学人も頑張ってね』
『あぁ、ありがとう』
『00:00:10』
いよいよカウントダウンが十秒前になり輝夜との念話も終える。
『00:00:09』
『00:00:08』
『00:00:07』
『00:00:06』
『00:00:05』
『00:00:04』
『00:00:03』
『00:00:02』
『00:00:01』
「ふぅ」
『00:00:00』
カウントダウンがゼロになった瞬間に何かが起こるかと思ったが何も起きない。
「どういうことだ……?」
まさか何か間違っていた? 何か見落としていたのか? だけどあれで間違っているとは考えにくい。
『学人、全人類にステータスを与えられているみたいよ』
『マジか』
つまりそれはダンジョンに入っている判定になっているのか? 誰から聞いたのかは今は置いておこう。
『これは来るわね。ステータスが一種の防衛システムになっているのならここは危険な場所になっていることにッ!』
『どうした!?』
輝夜が変な感じで念話を止めたから何かあったのかと思ったがワンテンポ遅れてどうなっているのかが分かった。
「上から見たらこんな感じなんだな……地震」
滞空しているからワンテンポ遅れてしまったが空からでも分かるほどに建物は揺れている。しかも高層ビルも近くにあったからそれがぐわんぐわんと揺れているのが分かる。
これ震度どれくらいで震源地はどこなのだろうか。古い建物なら崩れているものがある。
これが来てから第一次侵攻が来るとか地獄だろ。知らなければ蹂躙されているところだった。
『輝夜、大丈夫か?』
かなり長い地震を終えてから輝夜に念話で確認をとる。
『私たちは大丈夫。でも揺れで建物がすごいことになっているわ。そっちもでしょう?』
『なってる。これで第一次侵攻が来るんだよな』
『これはもう一段階気合を入れないといけないみたいね』
気合を入れ直しているところで俺の前に文字が出てきた。
『全人類にステータスを付与』
『殺害対象に色付け』
『異世界からの味方アリ』
『第一次侵攻の制限時間ナシ』
『第一次侵攻開始』
開始の文字と共に広島ダンジョンから巨大な気配が突如として出現して地上に向かって飛び出してきた。
「グオオオオオオオオオオオオッ!」
とてつもなく響く重低音がそこら中に鳴り響く鳴き声を発して怪獣映画のように地下から出てきたのは情報通り六十m級の巨大なドラゴンだった。
赤というよりも深紅の方が似合う鱗鎧をしており巨体、翼、爪、牙、そのすべてがあるべき竜の存在を示しているマキシマムレッドドラゴン。
『マキシマムレッドドラゴンLv999』
「はぁ!?」
マキシマムレッドドラゴンのレベルを見て驚いてしまった。
推奨Lvは300以上って書いてただろ! それなのにレベル限界のLv999とかえぐすぎやろ。これでLv300で行けば大変なことになるはず。
感知は気配の大きさで強さが分かるようになっている。これを東雲さんとぶつけても絶対に勝てはしないと断言できる。愛理も分からない。
推奨Lvの基準が一人で勝つということではないのか……? もしかしてその辺にいる人たちの人数と合わせてこのレベルになれば行けますよとか、そういうことか?
面白いけどさ、そういうことは推奨Lvの時と一緒に推奨人数も書いとけよ! 俺は面白いからいいけど輝夜たちが心配だ。
だから先にマキシマムレッドドラゴンを倒そうとした次の瞬間にはマキシマムレッドドラゴンは体から炎を滾らせ、俺を巻き込んで一気に炎を全方向に放出させた。
「うお、火力えぐ」
アビリティもあるし剣王の征鎧もあるからまともに受けても問題はない。俺はな。
だが逃げ惑っている人間はそうではない。
自業自得だし助ける気はないのだが朝日奈さんや天明くんがいれば助けるのだろうな。むっ、よく見ればカメラを持っている。
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「くはっ」ってなんですか?
私の乏しい想像力では「くはっ」がどういう時にどんな表情で出されてるのか分からなく読み進めるのに困っているので教えて頂きたいです。
作者的には強者感を出したかったです。
学人的には面白いことを前にして感情が抑えられない感じですね。基本悪役じみた笑みを浮かべています。
5/30:東江
メイド本人がLv29って言ってるのに何故にLv31だと思った?
ご指摘ありがとうございます! ちゃんと書いているつもりでもこういうことが起こるんですよね。おそらく輝夜のレベルを31くらいにしておこうって思ってそう書いたんだと思います。
面白い作品を、ありがとうございます。一気読みしましたが、続きも楽しみです😊
そう言ってもらえると嬉しいです! ありがとうございます!