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01:何百回目の始まり。
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俺の目の前に、二つの薄透明なプレートに文字が書かれているものがあり、一つは表示時間を過ぎて消えそうになっており、もう一つはハッキリと表示されていた。
『ステータス獲得』
『スキル獲得』
すぐにステータス獲得の文字は消え、スキル獲得という文字だけが俺の前に残る。
「……ふぅぅぅぅぅ……クソがッ!」
今の俺は高校のトイレで便座に座って用を足していたが、その苛立ちから横にある壁を殴りつけると大きな音を立てて個室が個室じゃなくなって吹き抜けになってしまった。
ふぅ、あんな理不尽なクエストが出たらどうにもできないだろうが。でもこれでようやく落ち着いた。壁のことはまあ逃げれば問題ないだろう。
俺がトイレに行っていたとしても、誰が俺みたいなモブキャラができると思う。とりあえず今は行動に移さないといけない。
ジャーっと流れる音を聞きながら個室から出て手を洗う。水を流している中でも、校舎のあちこちからかなり声が聞こえてきていた。
「……若いな」
手を洗っている途中で鏡を見ると、前回は三十までだったから若く見える。
手をふき終え、教室に戻ることなくすぐに誰にも見つかることなく教室から出る。
時間がもったいないし、このタイミングでしか出現しないダンジョンがあるからすぐにダンジョンの方へと向かう。
もうリアルタイムアタックと言っても過言ではない。
「確か、この近くだったが……あった」
俺の脚力だと学校から車で三時間の場所でも一秒でたどり着き、誰もいない公園の中央に大きな扉が出現していた。
後ろには何もない一見すれば意味の分からない扉に近づくと、俺の視界に文字列が現れた。
『剣の悪魔が潜むダンジョン
制限アリ:Lv50以上
クリア条件:最奥部にて〝デーモンソード〟を討伐
クリア報酬:スキル『ワープ』、その他ランダムスキル、アイテム
ダンジョン封鎖条件:挑戦者の敗北、制限時間到達』
そして制限時間が別のウィンドウで『56:28』が『56:27』と変化しているから残り五十六分でクリアしなければならない。
問題のレベル制限は問題なくクリアしている。何せ俺のレベルは119972何だから。
この世界で誰一人としてこのダンジョンに入ることはできない、俺を除いて。
それにこの程度のダンジョンをクリアするのは容易いということは、あまり経験値も期待していないが、今のステータスを獲得した段階での無理なダンジョンでは報酬が破格だ。
この『ワープ』というスキルはかなり使い勝手が良く、これだけで他プレイヤーが勧誘に来るくらいだ。
『ゲート起動』
『ダンジョンに入りますか? YES/NO』
YESの文字をタッチすると、大きな扉はゆっくりと開き始めた。
最初はこの圧巻さに驚いていたが、今ではコンビニの自動ドア並みに当たり前の物になっている。
開け放たれた扉の中に入るが、ここで悠長にしている暇はない。ダンジョンに入ったばかりだと物珍しさで足を止めるが、他に回るダンジョンが残り四つあるから余裕をもってダンジョンを攻略する。
剣を持ったリザードマンたちがうじゃうじゃと出てきたが、俺は構わずに全速力で走り始めた。
俺のDEFとAGIなら、このまま敵に突進して進んでも最奥部まで一瞬でたどり着くことができる。
色々なドロップアイテムも『収納』と『自動回収』で手に入ることができるから、この程度のダンジョンだと簡単に攻略ができる。
そして最奥部には、甲冑の騎士が剣を持ってたたずんでいた。
もうこいつを見るのは何十回目だと思いながら、構えたところで突進してHPをゼロにした。
『剣の悪魔が潜むダンジョン、攻略完了』
『スキル『ワープ』を獲得』
『スキル『魔力操作』を獲得』
『スキル『上級魔法・雷』を獲得』
『ブラック・ランス(ランク8)を獲得』
『ラファエル・ポーション(ランク9)を獲得』
『デュナミス・ブレスレット(ランク3)を獲得』
『サンダー・シールド(ランク8)を獲得』
『ホワイト・メタル(ランク7)を獲得』
ワープのスキルを獲得したのはいいが、後のはいらないな。アイテムもチラホラといいものが手に入ったが、今の俺にはいらないものばかりだ。
分解して素材にするくらいしか使い道があるやつがあるくらいか。いや、暇なことはなかったんだった。
『聖女が祈るダンジョン
制限アリ:Lv50以上
クリア条件:祈りの成功
クリア報酬:スキル『完全治癒』、その他ランダムスキル、アイテム
ダンジョン封鎖条件:祈りの失敗、制限時間到達』
『悪魔が眠るダンジョン
制限アリ:Lv50以上
クリア条件:悪魔の墓を破壊
クリア報酬:スキル『スキル付与』、その他ランダムスキル、アイテム
ダンジョン封鎖条件:悪魔の復活、制限時間到達』
『神々へ挑戦するダンジョン
制限アリ:Lv1000以上
クリア条件:神々の討伐
クリア報酬:スキル『複製』
ダンジョン封鎖条件:挑戦者の敗北、制限時間到達』
『聖魔の境界乱れるダンジョン
制限アリ:Lv100以上
クリア条件:最奥部にて〝聖魔龍〟の討伐
クリア報酬:スキル『収納』、その他ランダムスキル、アイテム
ダンジョン封鎖条件:挑戦者の敗北、制限時間到達』
十分以内に四つのダンジョンを踏破することができた。今回のダンジョンのスキル報酬はかなり豪華だ。
俺の唯一の取り柄であるLUKがあるのだからこれくらいしてもらわないと困ると言ったところか。
でも無駄に多いアイテムはいらないものが多々あるし、スキルも被っているものがかなりあるから困っていたところだが、『スキル付与』があれば他人に与えられるっぽいな。
今までは『強奪』があったから奪えたりしていたが、与えることはできなかったからこれはかなり当たりだ。
さて、もうそろそろで戻らないと義姉さんたちに心配されてしまうな。
まだ強制クエストまで二十分ほど時間があるとはいえ、早めに戻っておくに越したことはない。
『ステータス獲得』
『スキル獲得』
すぐにステータス獲得の文字は消え、スキル獲得という文字だけが俺の前に残る。
「……ふぅぅぅぅぅ……クソがッ!」
今の俺は高校のトイレで便座に座って用を足していたが、その苛立ちから横にある壁を殴りつけると大きな音を立てて個室が個室じゃなくなって吹き抜けになってしまった。
ふぅ、あんな理不尽なクエストが出たらどうにもできないだろうが。でもこれでようやく落ち着いた。壁のことはまあ逃げれば問題ないだろう。
俺がトイレに行っていたとしても、誰が俺みたいなモブキャラができると思う。とりあえず今は行動に移さないといけない。
ジャーっと流れる音を聞きながら個室から出て手を洗う。水を流している中でも、校舎のあちこちからかなり声が聞こえてきていた。
「……若いな」
手を洗っている途中で鏡を見ると、前回は三十までだったから若く見える。
手をふき終え、教室に戻ることなくすぐに誰にも見つかることなく教室から出る。
時間がもったいないし、このタイミングでしか出現しないダンジョンがあるからすぐにダンジョンの方へと向かう。
もうリアルタイムアタックと言っても過言ではない。
「確か、この近くだったが……あった」
俺の脚力だと学校から車で三時間の場所でも一秒でたどり着き、誰もいない公園の中央に大きな扉が出現していた。
後ろには何もない一見すれば意味の分からない扉に近づくと、俺の視界に文字列が現れた。
『剣の悪魔が潜むダンジョン
制限アリ:Lv50以上
クリア条件:最奥部にて〝デーモンソード〟を討伐
クリア報酬:スキル『ワープ』、その他ランダムスキル、アイテム
ダンジョン封鎖条件:挑戦者の敗北、制限時間到達』
そして制限時間が別のウィンドウで『56:28』が『56:27』と変化しているから残り五十六分でクリアしなければならない。
問題のレベル制限は問題なくクリアしている。何せ俺のレベルは119972何だから。
この世界で誰一人としてこのダンジョンに入ることはできない、俺を除いて。
それにこの程度のダンジョンをクリアするのは容易いということは、あまり経験値も期待していないが、今のステータスを獲得した段階での無理なダンジョンでは報酬が破格だ。
この『ワープ』というスキルはかなり使い勝手が良く、これだけで他プレイヤーが勧誘に来るくらいだ。
『ゲート起動』
『ダンジョンに入りますか? YES/NO』
YESの文字をタッチすると、大きな扉はゆっくりと開き始めた。
最初はこの圧巻さに驚いていたが、今ではコンビニの自動ドア並みに当たり前の物になっている。
開け放たれた扉の中に入るが、ここで悠長にしている暇はない。ダンジョンに入ったばかりだと物珍しさで足を止めるが、他に回るダンジョンが残り四つあるから余裕をもってダンジョンを攻略する。
剣を持ったリザードマンたちがうじゃうじゃと出てきたが、俺は構わずに全速力で走り始めた。
俺のDEFとAGIなら、このまま敵に突進して進んでも最奥部まで一瞬でたどり着くことができる。
色々なドロップアイテムも『収納』と『自動回収』で手に入ることができるから、この程度のダンジョンだと簡単に攻略ができる。
そして最奥部には、甲冑の騎士が剣を持ってたたずんでいた。
もうこいつを見るのは何十回目だと思いながら、構えたところで突進してHPをゼロにした。
『剣の悪魔が潜むダンジョン、攻略完了』
『スキル『ワープ』を獲得』
『スキル『魔力操作』を獲得』
『スキル『上級魔法・雷』を獲得』
『ブラック・ランス(ランク8)を獲得』
『ラファエル・ポーション(ランク9)を獲得』
『デュナミス・ブレスレット(ランク3)を獲得』
『サンダー・シールド(ランク8)を獲得』
『ホワイト・メタル(ランク7)を獲得』
ワープのスキルを獲得したのはいいが、後のはいらないな。アイテムもチラホラといいものが手に入ったが、今の俺にはいらないものばかりだ。
分解して素材にするくらいしか使い道があるやつがあるくらいか。いや、暇なことはなかったんだった。
『聖女が祈るダンジョン
制限アリ:Lv50以上
クリア条件:祈りの成功
クリア報酬:スキル『完全治癒』、その他ランダムスキル、アイテム
ダンジョン封鎖条件:祈りの失敗、制限時間到達』
『悪魔が眠るダンジョン
制限アリ:Lv50以上
クリア条件:悪魔の墓を破壊
クリア報酬:スキル『スキル付与』、その他ランダムスキル、アイテム
ダンジョン封鎖条件:悪魔の復活、制限時間到達』
『神々へ挑戦するダンジョン
制限アリ:Lv1000以上
クリア条件:神々の討伐
クリア報酬:スキル『複製』
ダンジョン封鎖条件:挑戦者の敗北、制限時間到達』
『聖魔の境界乱れるダンジョン
制限アリ:Lv100以上
クリア条件:最奥部にて〝聖魔龍〟の討伐
クリア報酬:スキル『収納』、その他ランダムスキル、アイテム
ダンジョン封鎖条件:挑戦者の敗北、制限時間到達』
十分以内に四つのダンジョンを踏破することができた。今回のダンジョンのスキル報酬はかなり豪華だ。
俺の唯一の取り柄であるLUKがあるのだからこれくらいしてもらわないと困ると言ったところか。
でも無駄に多いアイテムはいらないものが多々あるし、スキルも被っているものがかなりあるから困っていたところだが、『スキル付与』があれば他人に与えられるっぽいな。
今までは『強奪』があったから奪えたりしていたが、与えることはできなかったからこれはかなり当たりだ。
さて、もうそろそろで戻らないと義姉さんたちに心配されてしまうな。
まだ強制クエストまで二十分ほど時間があるとはいえ、早めに戻っておくに越したことはない。
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